雅流!オカダトカゲの幼体飼育~飼育編~

皆さんこんにちは!雅です。

前回投稿したオカダトカゲの死亡報告後、かなりショックを受けてしまいなかなかブログに手が付けられませんでした。しかし、このまま発信を辞めるわけにはいきませんので、本日は雅流のオタダトカゲの幼体、飼育編ということで、孵化から今現在までどんな感じで飼育しているのかを公開したいと思います。

前にもお話していたと思いますが、幼体、成体ともに特大プラケース、床材には細かいヤシガラを使用し、飼育しています。

こんな感じで重ねておけるので便利な特大プラケース。だいすき

グループ分けをして飼育中

まず、2020年11月5日現在の幼体の数は全部で9匹です。この9匹を、体の大きさと雌雄(なんと頭胴長が6~7センチの個体ではもうすでに喉が赤くなりはじめ、オスの特徴が出てきています)を見比べ、大体同じくらいの大きさで、雌雄の数も大体均等になるように2つの特大プラケースに分けました。

少し大きめの第一軍(仮)
少し小さめの第二軍(仮)

写真は2020年10月21日のものです。こうしてたまにヤシガラから掘り出してきちんと生きているか生存確認をするのと、体に異常がないかどうかチェックをしてます。

オスかも?な個体。アゴが全体的にうっすら赤くなっているのがわかります

どうして2つのグループに分けるのかというと、オス同士や他の個体と鉢合わせて喧嘩になるのを防ぐ目的と、十分な餌量を確保するためです。

皆さんきっとニホントカゲのオス同士の喧嘩の写真を、図鑑やSNSを通して見たことがあると思います。ニホントカゲと似たような感じで、オカダトカゲもオス同士、咬み付きあって喧嘩をします。もしかすると縄張り争いなのかもしれません(ソースを探しておきます…)

ですので、なるべくオス同士が接触する機会を減らすためにケースを分けて飼育している、ということ。

また、これだけの個体数がいると餌を積極的に食べにくる個体とそうでない個体が出てくるので、餌を食べに来るのが少し遅れてしまうと、餌がなくてどんどん痩せてしまう、成長ができないなど最悪死なせてしまう原因に繋がるおそれがありますので、なるべく均等にすべての個体が餌を食べられる機会を作るために、ケースを分けて飼育しています。

狭いケースで多くの個体を管理するのはかなり難しいことだと思います。うちにいる幼体たちはまだ小さいのでこのグループ分けで飼育していますが、もっと成長してきたら、先ほどお話しした喧嘩等の理由からオスは1ケース1匹ずつに分けて飼育しようかな、と考えています。

全然話が変わりますが、2020年夏に、この幼体たちのふるさとに行ってきましたが、その時点でのうちの幼体たちと野生の同い年の幼体たちで体の大きさが違っていて驚きました。

カンの鋭い方は感じていると思いますが、室内の飼育個体と野外の個体では孵化した時期が異なるのと、餌頻度も異なるので体の大きさは違うのは当たり前です。ですが、夏に見た野外の個体の大きさが、飼育個体の夏ちょっとくらい前の大きさで、ひとまわりくらい野外の個体の方が小さかったので、自分の飼育方法や餌頻度、餌昆虫たちの餌メニューなどを考え直した方が良いのかな…!??と考えさせられました。

孵化1年目、冬対策は?

皆さん想像ができると思いますが、日本の本州に住む爬虫類の多くは越冬をします。土の中に潜ったり、岩の隙間に隠れたり、落ち葉の下に潜って、冬を越すことですね。

日本の爬虫類や、外国の爬虫類、越冬して過ごす種なら冬の間は代謝を低くさせてそっと眠らせておいて、次の年の春にまた目覚めさせて飼育をしている方もよくいらっしゃいます。実際、実家に住んでいたころのわたしも、オカダトカゲやヒガシニホントカゲは外と同じような気温の部屋に置いておき、次の春から餌を与えて飼育するスタイルをとっていました。

しかし、飼育個体の越冬はかなりリスクがあります。

秋、冬が来る前にしっかりと栄養をつけさせておいて、何か月も餌を食べないでも耐えうる健康な体を作る必要があること。

次の春にケースを覗いてみたら、とっくに死んでしまっていた!とか、春を迎えられたが餌を受け付けなくてそのまま衰弱して死んでしまった…とか。経験もあれば、聞いたこともあります。

細かい原因はここでは話しきれないくらい考えられます。

このリスクを背負って冬場は寒い部屋で飼育をしようかな…と考えていましたが、実際に今住んでいる家の中で一番寒い場所の気温を測ると20℃を超えており…!

築年数のそんなに経っていない綺麗な集合住宅の快適さを思い知りました…。

20℃では、トカゲが中途半端に覚醒してしまい、無駄に体力を消耗してしまいます。これでは家で越冬は無理だ…と判断し、他の外国産爬虫類たちのいる暖かい部屋で冬を越してもらうことに決めました。

ですので、現在は夏場より餌の頻度はおさえていますが、昼間は太陽でバスキングをし、夜も暖かい部屋で、これまでと何ら変わりなく飼育しています。

体もずいぶん成長してきましたので餌は3日に1回、全個体が食べられるように少し多めにお皿に生きた昆虫類を入れて与えています。孵化したての頃は毎日与えていました。

こんな感じで現在は飼育をしておりますが、今後もどう管理したら健康に、長く生きてもらえるのか、完全に手探り状態ですが試せるものはどんどん試してみて、こうして皆さんにお伝えできればなと思います。

まだオカダトカゲの幼体飼育で伝えきれていないことがあるので、記事が書けましたらまたこちらのブログに載せます。

最後までご覧いただきありがとうございます。

またブログor動画でお会いしましょう!

前々回のブログに貼り忘れていた動画( ˘ω˘ )

オカダトカゲの幼体1匹を死亡させてしまいました

皆さん、こんにちは。雅です。

今日はタイトルにある通り、飼育中のオカダトカゲの幼体1匹を死なせてしまったご報告を、いつも見てくださる皆さんにお知らせしたく、文章を書いています。

本日2020年10月18日13時50分ごろ、いつも駆け寄ってきて餌をピンセットから食べてくれる幼体がデュビアを近くに置いても動かず、おかしいと思いシェルターをどかしてみたところ、死亡しているのを確認いたしました。

今もわたしの隣にいます。

大変悲しく、しばらく今まで黙々と他の動物の清掃をしておりました。

母親の産卵、孵化、成長を見てきた子ですので、とてもショックが大きいのと、この子が死亡してしまった、考えられる原因のひとつに「熱中症」が挙げられます。

この子は他の子と一緒のプラケに入れると、他の子をかじって追いかけまわすので単独で飼育をしておりました。(水槽にヤシガラ土で飼育、オカダトカゲ幼体とオタダトカゲ、ヒガシニホントカゲ成体はすべてベランダ側の窓際、日の当たるカーテンの内側にて管理中)

他の子たちのいるプラケの方が大きく、また床材はヤシガラを使用しておりますのでプラケで飼育している方の子たちはよく潜り、たとえ太陽光が照らして暑くなっても、自力でヤシガラの深くまで潜り、熱中症を回避することができます。

しかし、赤玉土はオカダトカゲの幼体にとっておそらく潜りにくい素材(今までの観察でわたし自身、それはわかっていた…)で、今回、午前中の太陽光の暑さから逃れられず、耐え切れなくなって死亡してしまった。と予想できます。

いつもなら朝、わたし自身が暑くなりすぎないようにカーテンを開けて空気を循環させたり、プラケ自体を移動させて暑くなりすぎないように対策をするのですが、今日はわたしが対策をしないまま二度寝してしまい、12時ごろにやっとプラケを移動させました。

その時よく観察をしないまま他の動物の管理を始めてしまったので、たくさんの場面で後悔しております。今となっては、このように皆さんに結果をお伝えすることしかできず、この子の命は戻ってきません。

今回もまた、自分で大好きな生き物を殺してしまった….。

悔やみきれません。この子が今教えてくれたことは、わたしが小学生の頃にニホンカナヘビたちに教えてもらったはずなのに…。

もし熱中症で死なせてしまったのなら、未然に防ぐことができました。

そもそも、管理している場所が悪いんじゃないかと思われるかもしれませんが、家のどの場所よりもこの場所がいいと考えをもって飼育しているので、完全にわたしの責任です。

言葉がうまくまとまらず、非常にお見苦しい文章と悲しいお知らせで大変申し訳ありませんが、ここまで読んでくださりありがとうございます。

少し時間がかかってしまうと思いますが、小さなトカゲを飼育する際に使用する床材のお話も、今回のことを絡めてこちらにまとめたいと思います。

つらつらと、言い訳のような文章にお付き合いくださりありがとうございます。

今日はこれで終わりたいと思います。

ごめんね。

雅流!オカダトカゲの幼体飼育~餌編~

皆さんこんにちは!お久しぶりです、雅です。

前回はオカダトカゲの孵化について実体験をお話しました。まだご覧になっていない方は、まずこちらの孵化のお話から見ていただけると、わたくし雅の考え方がわかるかと思います。→オカダトカゲの孵化について

今回は、タイトルにある通り「オカダトカゲの幼体飼育」の中でも餌、に注目してお話していこうと思います。前回公開したブログ記事の内容通り、わたしは小、中学生のころにオカダトカゲやヒガシニホントカゲの幼体を捕獲し、飼育を試みましたがことごとく失敗を繰り返しました。

いつの日か、死なせてしまうから幼体の飼育はやめようと思い、ずっと最近まで亜成体~成体のトカゲのみ捕獲し、飼育をしてきました。

ですので、完全なる孵化したての幼体の飼育は、初めての経験。

この貴重な機会とわたしの自由な時間を惜しみなく使い、試行錯誤しながら今現在も10匹のオカダトカゲの幼体を飼育しています。ここで、今まで得た情報を皆さんに公開したいと思います。

オカダトカゲ Plestiodon latiscutatus 寄り添って目を閉じる…癒しのひと時…

餌についてざっくり説明します

孵化した次の日の写真

まず尻尾の先端から鼻の先端まで5cmもないような、こんな小さな幼体、何を食べるでしょうか?

正解は生きた虫です。ピンセットでの給餌に慣れた成体の場合は、人工飼料なども食べてくれますが、この世に生まれたばかりの、ましてや人間に慣れてすらいない幼体がしょっぱなからピンセットで人工飼料を食べたら、それはすごいことだと思います。

ピンセットを使うにしても、人間の大きな手や腕が上から近づいてくるので、それだけで小さな生き物たちは怖がって暴れたり、逃げようとしたりします。

ですので、わたしはこの幼体たちが孵化する前にあらかじめ用意しておいた、自家製ヨーロッパイエコオロギ、フタホシコオロギ、ワラジムシの幼虫、デュビアの幼虫、ミルワームの小さい幼虫の5種を餌として、生きたまま置き餌をして与えてみました。

また、コオロギやワーム類はカルシウムがあまり摂れず、カルシウムとリンの比率、アミノ酸のバランスが悪いため、カルシウム剤、ビタミン剤を餌昆虫にまぶしてから与えます。

餌の与え方

現在は人間に慣れてきたのか、ピンセットから直接餌を食べてくれる幼体が増えましたが最初は逃げていくので、餌皿に餌を置いて、自力で食べてもらう方法をとりました。(現在も餌皿での給餌は行っています)

普通の100円ショップなどで販売されているような小鉢でも良いのですが、今回は機能性を重視し、株式会社スドーさまのレプタイルディッシュSを使用しました。大きさは直径約7センチの円形で、高さは約2センチと、小さな幼体でも脱出しやすい高さで現在も重宝しています。

こちらの品は、成体の方でも使用しておりますが、かえしがついていますので、中に入れた餌昆虫やワーム類が逃げ出しにくくなっています。

※このレプタイルディッシュの高さより大きい餌昆虫や飛び跳ねる餌昆虫を入れると当然出て行ってしまうので、コオロギなどは脚を取るか、レプタイルディッシュの大きさを変更して使用してくださいね!

↓レプタイルディッシュSとLのAmazonへのリンクです↓

雅が実際にオカダトカゲ幼体飼育で使用中のSサイズ【スドー レプタイルデニッシュS

雅が実際にオカダトカゲ、ヒガシニホントカゲ成体飼育で使用中のLサイズ【スドー レプタイルディッシュL

※Lサイズも同じ円形で、直径約10センチ、高さ約3センチになります。

レプタイルディッシュSの中に、上記の写真のように餌昆虫やワーム類をダスティング(カルシウムやビタミンを添加すること)し、自分たちで早速狩りをしてもらいました。ストレスを少しでも感じさせないよう、わたしは一切手を出さず、遠くから見守りました。(※最初からすべての幼体が餌を食べるわけではありません)

餌頻度はほぼ毎日。孵化した後の2020年6月~9月は気温が暖かかったのと、幼体の数が多かったのですべての個体がきちんと食べられるようにわりと多めに与えていました。

孵化直後はすべての幼体がいきなり食べることはなく、日数が経つごとに食べている様子を観察することができました。わたしが一番最初に食べているのを目撃したのが、孵化発見の次の日でした。幼体のうち一匹がワラジムシをじっと見つめ、成体のトカゲと同じように瞬時に仕留めていたのを、今でもよく覚えています。

孵化から数日後、コオロギやワラジムシを捕食するのに慣れてきたところで、デュビアの幼虫(トカゲの幼体が食べられる大きさ)を餌皿に入れてみましたが、匂いが強烈なのか(人間にもわかるゴキブリ臭)、誰も見向きもせず…。

なんでも食べてくれるトカゲならデュビアも食べてくれますが、匂いが嫌なのか硬いのが嫌なのかわかりませんが、デュビアを好き嫌いして食べない個体はよく見ました。(家のニシアフたちもそうだし、元職場にいたレオパたちもそういう子が多かった印象)

孵化から4ヵ月が経過した現在はずいぶん体も大きく成長してきましたので、デュビアを餌皿に入れておいても次の日には空になっていることが多くなりました。ですので、好き嫌いの好みの問題はもしかしたらあるかもしれませんが、成長とともに我が家の幼体たちは食べるようになりました。

もし、この子はこの餌は食べない~と思っていても時間をおくと食べるようになるかもしれませんので、餌のレパートリーを増やす目的で時間をおいて挑戦してみるのも良いかもしれません。

人工飼料について

孵化から約4ヵ月になる幼体たちが最近チャレンジしたのが、人工飼料!

まずはレオパゲルから。レオパゲルは人工飼料の中でもわりと最初の方に発売されました。名前の通りゲル状になっていて、開封後は冷蔵保存をします。

こちらのレオパゲルの販売会社、キョーリンさんの山崎研究所という施設でレオパゲルを与えていたヒョウモントカゲモドキの累代飼育を確認、そしてその施設で飼育していたヒョウモントカゲモドキの約80パーセントが食いついたそうです。(パッケージの裏側に書いてありました)

主に昆虫食の爬虫類の補助食として使用されている印象。わたくし雅も、これ一択では飼育せず、他の生きた昆虫をメインに、たまに少しでも栄養が摂れればいいな…と思い、たまに与えています。(月に1度くらいかな…)

↓レオパゲルのAmazonへのリンクです↓

キョーリン レオパゲル

体の大きい幼体はピンセットからわりと餌を食べてくれるので、レオパゲルをピンセットでつまんで与えるとすぐに食いついてくれました。

ピンセットから食べてくれない怖がりな幼体たちのために餌皿に一口で食べれる大きさにカットしたレオパゲルを置いて、その中にコオロギも入れて、コオロギでおびき寄せて興味を持ってもらう作戦ですが、結果はまぁまぁな感じでした。(笑)

やはり生きた餌でないと食べない幼体は多い印象です、特に体の小さい子が。

あとは同じ餌皿に置く方法でレオパブレンドフードとフトアゴブレンドフード(フトアゴじゃないけど笑)の試供品もいただいたので試しましたが、結果は同じでした。食べる子は少し食べるけど、がっついてはこない、仕方なく食べるという印象。

人工飼料を見たり集めたりするのが好きなのでこれからもいろんな人工飼料を試してみようと思います。

人工飼料のパッケージの裏にも書いてありますが、あくまでも人工飼料はサブ食的な立ち位置で考え、メインはコオロギやゴキブリなどの昆虫を与えてくださいね!

また新たな人工飼料を試したら、お話ししたいと思います。

次こそオカダトカゲの幼体飼育の話がしたい!!

今回はこのくらいにしておき、次回へ続きます。最後までご覧いただきありがとうございます!

オカダトカゲの孵化について

オカダトカゲ 幼体 Plestiodon latiscutatus

皆さん、オカダトカゲという日本固有種のトカゲをご存知ですか?

伊豆半島と、静岡県のお隣にある初島、伊豆諸島の伊豆大島から青ヶ島に分布するトカゲです。伊豆諸島の名前だけ言われてもわからないな~という方はぜひ、「伊豆半島 名前」で検索してみてください。実際にその島々の配置を見ると、昔は陸が繋がっていた…というのがなんとなくわかると思います。

そして、何といっても他の種類である「ニホントカゲ」と「ヒガシニホントカゲ」との外見の判断が難しく、パッと見では全部同じ種類に見えてしまいますね。

簡単にご紹介しますと、皆さんがよく知っているニホントカゲは近畿地方以南の本州、四国、九州とその周辺の島々に分布しており、ヒガシニホントカゲは伊豆半島を除く近畿地方以東の本州と北海道とその周辺の島々に分布しています。

オカダトカゲ、ニホントカゲ、ヒガシニホントカゲの詳しいお話はいろんな論文を読んでわたしがきちんと皆さんにお伝えできるようになりましたら、こちらでもご紹介したいと思います。

前置きが長くなりましたが今回は「オカダトカゲの孵化について」お話していきたいと思います。

飼育動物の紹介欄にあるように、2019年8月に捕獲した成体♀が翌年2020年4月21日に腹に卵を持っているのを確認しました。

腹が卵でボコボコしているように見える オカダトカゲ ♀ Plestiodon latiscutatus

おわかりいただけたでしょうか。

普段はスマートな横腹が、卵確認時はボコボコしていて、誰が見ても卵を持っている状態。本来ならこのような時期のメスはあまり触らずほっておいた方がいいと思いますが、あまりの感動と興奮でよく見える角度で数枚写真を撮らせていただきました。

この時(というか今もですが)は雅イチオシの特大プラケース(約43×35×27)にこのオカダトカゲと、ヒガシニホントカゲの成体オスメスの計3匹で飼育しており、床材は爬虫類用のヤシガラを厚めに敷いていました。

他に移動させる場所もなく、あまりちょっかいをかけるとストレスになるな、このままこのプラケで管理しようか?新しくプラケを買うか?と悩んでいた2020年5月1日の夜、なんとなく特大プラケースを持ち上げ底を見てみると、生まれている!!!!!!

卵の数は11個…に見える気がする、メスが卵に寄り添っている

これまた感動!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

あまり揺らすとメスのストレスになると思い、この時も数枚だけ写真を撮らせていただきました。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますがオカダトカゲ、母親が卵が孵化するまでの約40日間餌を食べずに卵をなめたり転がしたり少し移動させたりしてお世話をするのです。不思議ですよね…ちなみに同じ日本固有種であるニホンカナヘビの場合は卵の世話はせず、産卵したら母親はどこかへ行ってしまいます。

ちなみにこれまでの管理で気を付けていたことと言えば、産卵数日前から完全に表に出て来なくなったのと、お腹があんな状態なので当たり前ですが餌をまったく食べないので、せめて水分でも…と思い、全体的に湿りすぎない程度にキリフキをかけていました。

先ほどもお話ししましたが、この母親以外にも他に2匹のトカゲが同居しています。

ここで真っ先に心配になったのが、母親が他のトカゲにちょっかいかけられて育児放棄もしくは卵を食べてなかったことにしてしまうこと、また、他のトカゲが卵を食べてしまわないかということ。

様々な不安が頭をよぎりましたが、もうここで産んでしまったのなら人間が手を出したら最後、何がおこるかわからないと思い、思い切ってこのまま他のトカゲと同居させたまま、孵化まで持っていけるか試してみることにしました。

実はわたしは過去にも別個体での産卵経験があります。その時はヒガシニホントカゲだったかな…?5、6年前なのでうろ覚えです。少し、そちらのお話もしますね。

そのヒガシニホントカゲは、もっと小さいプラケースに隔離し、ヤシガラを敷き詰め、ヤシガラの真ん中に少しくぼみを掘り、その上に樹の皮を乗せてシェルターにしました。わたしの読み通り、数日後にすぐそのくぼみに産卵したメス。わたしは初めて生でトカゲの卵を見る事が出来てうれしくてうれしくて、シェルターをどかしてミラーレス一眼で写真を撮りまくりました。

その数日後、毎日の日課となっていたトカゲと卵の観察のため、シェルターをどかすと、卵がひとつも残っていません。

小さなプラケースに入れていたので他の敵もいませんし、餌昆虫も放っていません。ヤシガラを掘っても掘っても、卵が見つかりません。いるのは、卵を産んだメスだけ。この時初めて、わたしは自分がやらかしてしまったんだと、思いました。トカゲの嫌がることをして、ストレスを与えて、メスは自分で産んだ卵をひとつ残らず食べてしまったのです。

それだけではなく、普通なら白い卵を産むはずですが、最初から産んだ卵はピンク色で、なぜだろう?と当時の自分は不思議に思っていましたが、経験のある方にうかがったところ、親の栄養不足によるもの、と言われてしまいました。

わたしはこの時の経験が物凄く頭に焼き付いていて、もし今後産卵するトカゲを飼育する機会があったら、同じ過ちは絶対にしない、と誓いました。

これで、先ほどからストレスをかけないように慎重になっていた理由が皆さんにもおわかりいただけたかと思います。

オカダトカゲの話に戻りますが、結果は大成功。運が良かったのか、他のトカゲが母親にちょっかいかけることもなく、母親もきちんと卵の世話をし、孵化するまでの約1ヵ月と少しの間、餌は何も食べず卵に寄り添っていました。

また別の日。見るたびに卵の位置とメスの寝相(?)が変わる
たまたまだと思いますがメス同士寄り添う、びっくりした

上の写真は衝撃を受けました。なんと、卵を守るメスに寄り添う形でもう一匹のヒガシニホントカゲのメスが寝て(?)いました。皆さん確認できますか?ヒントは尻尾の数です!

そして2020年6月5日の夜、ゆっくりとプラケースを持ち上げてみると、いつもある卵がしおれている!そして、とても小さな青い尻尾を1匹分確認。感動の瞬間でした……。

その時は夜だったので、そのまま安静に置いておき、次なる課題へ。

そう、今度こそ孵化したての幼体たちが他のトカゲに食べられてしまうのではないかという恐怖…!!!!!

よく図鑑には、母親とこどもはしばらくともに過ごす、とありますが、具体的にいつ頃土から出てくるのか全く分かりません。自分の当時の記録によると、孵化確認から次の日2020年6月6日の13時になっても母親もこどもも土から出てきません。

食べられてしまうという不安から同居している母親以外の2匹のトカゲを当時飼育していたニホンカナヘビのプラケースへ移動させる決心をし、ゆっくりとヤシガラを掘ると、なんと幼体たちがいた場所を掘り当ててしまったらしく、ぶわあああっと青い綺麗な尻尾を持った小さなトカゲたちが4匹、一斉に地上に出てきてしまいました。

その時の内心「うわああぁっぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!ごめんんんんんんんnんnn」

なんとか弱い幼体たち、自力では細かいヤシガラを掘って潜ることができないらしく、ずっと地上でバタバタ。

ここでわたしは予定を変更。同居トカゲではなく、幼体だけを取り出して隔離することにしました。母親と幼体、一体どのくらいの期間一緒に過ごすのか、とても気になりましたが幼体の安全を第一に考えます。

とりあえず掘り起こしてしまい、潜れない4匹を幅30cmの小さな水槽に移動。この水槽にはヤシガラではなく赤玉土を利用。(理由は幼体飼育編の時にお話しします)

母親のいるプラケースの底に2匹の幼体の姿を確認。この時点では6匹は確実に孵化したことがわかりました。

2日後の2020年6月8日。朝9時ごろ、母親のいるプラケースの方で地上に幼体が3匹、バスキングをしているのを目撃しました。この時点では7匹が確実に孵化していますね。水槽に隔離した幼体たちもバスキングをしていたので事前にこの子たちのために繁殖させておいたフタホシコオロギの幼虫とワラジムシを餌皿を使って与えてみるも、食べず。しかし、30分くらい放置していたら1匹がワラジムシの小さいのを食べているのを見かけました、これまた感動。

そしてその日のうちに母親と同居トカゲ2匹をニホンカナヘビのいるプラケースへ移動させ、完全に幼体専用プラケースになりました。

2020年9月13日現在、卵確認から産卵、孵化、飼育でおよそ4ヵ月が経ちます。今、幼体たちは一番初めに見ていただいた写真のとおり、すくすくと成長中です。

頭胴長(とうどうちょう)は小さい個体で4cm、大きい個体で5、6cmはあると思います。※頭胴長とは、鼻の先から総排泄口(おしり)までの距離のことを指します。トカゲなどは自切(敵から身を守るための手段として尾を切り、敵の意識をそらす)するので体長をはかるときはこれを用います。

次回は、オカダトカゲの幼体飼育について書きたいなと思っております!

試行錯誤しながら、日々こちらが勉強させてもらっています。ここまで読んでくださりありがとうございます。よろしければ、次回もまたご覧いただけるとうれしいです!(*´▽`*)

それでは、次回へ続きます!!!!

鴨川シーワールド 夜の水族館探検に参加してきました!

こんにちは!雅です。初めて日記みたいな感じで書こうと思うので少しわくわくしています(*^▽^*)何編かに分けて書いていこうと思いますので、よろしければ最後までお付き合いください。

今回、千葉県鴨川市にある「鴨川シーワールド」へ行ってきました。

国内でのコロナウイルスの感染が確認され始めてから、職場以外の動物園、水族館施設には半年以上も足を運んでいませんでした。すごく久しぶりに水族館へ行けるということと、スペシャルなことにパートナーの誕生月ということで今回は鴨川シーワールドに隣接するホテルにも一泊しました。

こちらのホテルの公式ホームページから予約をするとついてくる特典がいくつかあるのですが検索していて目を引いたものが今回ご紹介する「夜の水族館探検」。(特典なしの宿泊だけでも水族館が無料で入館できます!超お得ですよね!)

気になる方は公式ホームページにて確認してみてください!

約40分間、夜間の水族館内を巡り解説を聞くツアー的なプログラムですが、悪天候時や動物たちの状況により中止となる場合もあるそうですが、この日は何事もなく決行されました。よかった。が、しかし、なんと毎日開催しているそう…!:;(∩´﹏`∩);:

元 飼育員として、普段の飼育や他の業務でかなり神経を使っているであろう飼育員さんの体調などの面で少し心配になってしまいました。。いつもお疲れ様です。

夕食を済ませてからロビーに集合。小さなこどもからおとなまで、幅広い年齢層の方々が参加されていました。

この日は3グループに分かれて順番に各展示を周りつつ、飼育員さんの解説を聞きました。

シャチ Orcinns orca (iPhone11proで撮影)

まずはシャチの展示からでした。

シャチ以外にも、イルカやセイウチ、ペンギンやエトピリカなどの展示も周りましたがネタバレになってしまうのと、あらあじめ用意してきた質問を飼育員さんに回答いただきましたのでその話をメインにご紹介していきたいと思います。

毎日開催されているだけあってか、シャチたちも「お、今日もまた来たのか」とばかりにお客さんの元にやってきてくれました。

昼間もシャチのパフォーマンスを見ていたのですが、その時はお客さんに興味を示して寄ってくるというよりも、パフォーマンスで濡れるのを防ぐためのポンチョ(300円)や50周年記念タオル(500円)、ポップコーン(300~500円)を販売するために客席前のシャチ水槽の前に立っていた従業員さんたち(の洋服とかかな?)に反応して寄って来ている印象でした。

従業員さんに寄ってくるシャチ

昼間と夜間、実際にシャチがどう思っているのかは、わたしにはわかりませんが何か別の興味にひかれて人間のところにやってきてくれているのだと思います。

肝心の飼育員さんによる解説では、シャチは肺呼吸のため、一定時間経過すると酸素を吸いに寝ている時でも水面にやってくるそうです。ちなみにシャチの呼吸をするための噴気孔(人間でいう鼻)は水中生活に適応するために頭頂部にあります。頭の上に鼻があれば呼吸がしやすいですよね。

また、わたしは暗くて確認できなかったのですが、「半球睡眠」といって片眼ずつ眼を閉じ、泳ぎながら眠っているそうです。片方の眼を閉じているときに片側の脳は休んでいる状態、が繰り返し行われるのでしょうね。

餌はサバ、ホッケ、シシャモなどが与えられているみたいです。

シャチのプール全体図(iPhone11proで撮影)

また、この広いプールの水量は皆さんのお家のお風呂の約60年分にもなる海水が使われているそうです。(あっ…人工海水なのか天然の海水なのか、飼育員さんに確認しておけばよかった…完全に確認忘れてた…)

他の展示への移動もあり、あまりシャチだけに時間はかけられないのであまり詳しい解説は聞けませんでした。元 飼育員として解説していた身なので、痛いほどわかりますが幅広い年齢層の方々に対して専門的な話は好まれないことが多いので、大体はわかりやすい軽めの解説で終わりがちになってしまいますね。深い話をいかに興味を持って聞いてもらえるか、が個人的な目標のひとつです。

夜間のエトピリカ展示場(iPhone11proで撮影)
夜間のアシカ・アザラシの展示場(iPhone11proで撮影)

iPhone11proの夜間モード(?)で撮影しておりましたので、すごく明るく映っていますが実際はもう少し暗いです。一眼も持って来てはいたのですが、この時はiPhone11proの方が軽いし、設定とかいじらなくて済むし、楽でした(*’ω’*)

こんな感じで各所を巡り、ロビーにて解散でした。

質問があれば飼育員さんが少し残っていてくれるのでその時に、とのことでしたので雅の名刺を持参でいざ突撃!

わたしは専門学校で確かに海洋生物を習ってはいましたが、実際に飼育経験はないのでイルカやシャチといった水生哺乳類に対する感覚が全くわかりません。

昼間にシャチのパフォーマンスを見た際に、ナレーションの方が「シャチがわざと皆さんに向けて水をかけてきます」というアナウンスをしていました。そこで、イルカやシャチも、観客席にいるお客さんの歓声や悲鳴(海水がかかってくるので(笑))に反応して、もっとやってやるぞ!と張り切るような行動をとるのかどうか、という疑問が生まれたのでぶつけてきました。

シャチのトレーナーさんに、この質問をさせていただきました。

トレーナーさんいわく、パフォーマンスはシャチ対トレーナーで行われるものであるため、観客席にいるお客さんの影響を受けているかどうかは実際にはわからないそうです。しかし、シャチも生き物なのでやる気のある時やこの技、今やりたくなさそうだな、という感覚が眼を見てわかるそうです。

技を披露した後に「今のよかったよ!」という意味を込めて、水面に上がってきたシャチの頭をたくさんたくさんこすっているトレーナーさんの姿を確かに昼間、見ました。餌をやることも褒める理由のひとつですが、触れる事でもその意味になることは初めて知ったので驚きでした。

シャチのパフォーマンス時、頭付近に触れてコミュニケーションをとる(NikonD5300で撮影)
シャチのパフォーマンス時、餌(報酬)を与えて直前(この場合は技)の行動をほめる(NikonD5300で撮影)

こうしてシャチとコミュニケーションを取りながら、パフォーマンスでは皆さんに技を披露しているのですね。

そして同じトレーナーさんに、イルカはどうなのか?と質問してみたところ、イルカの担当期間が短かったため、確実な答えではないが、イルカプール前にいるお客さんの反応を見て「もっとかけちゃお~~」というようないたずら的な?感じでジャンプをして水しぶきをかけているそうです。

もしかしたら、わたしの疑問であった「張り切ってやるぞ!」という行動は、イルカには顕著に表れるのかもしれませんね。

カマイルカ Lagenorhynchus obliquidens リアルな眼。(iPhone11proで撮影)

研究者や飼育員が集まるような学会や、飼育員の研修のようなものに参加した際でも、イルカやシャチのトレーナーさん、飼育員さんに出会えるとは思いますが、なんせ分野が少し違うので今回のように大型の水生哺乳類と関わる方々とお話しする機会はなかなかありません。

本当にお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

わたしも両生類、爬虫類一点集中型なので少し視野を広げて、これからも現場の方々と交流、情報交換などしていきたいと思います。

ここまで雅の日記にお付き合いくださった皆さんにも感謝します!ありがとうございます!!

海洋生物全般の知識がほぼ皆無になっているので、勉強しなくては、と書いていて思いました…。あと、どうして水族館でショーやパフォーマンスをするのか、という理由も今回書ききれなかったのでまた勉強し直してからブログかYoutubeで公開したいと思います。

次回は鴨川シーワールドの展示について語っていこうと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました(*´▽`*)

ホテルのお布団敷いてくれたスタッフさんが、置いといたシャチのぬいぐるみ並べてくれた…(*´▽`*)♡

飼育動物種の紹介

2020年09月8日(火) 現在

ニシアフリカトカゲモドキ Hemitheconyx caudicinctus ♂

呼び名はモカ。モカ様、モカる etc…飼い主がモカのかわいさに興奮して呼び方が変わることがしばしば。基本的にはかわいすぎて崇め称えており「モカ様」呼びが定着している。インスタグラムで繋がってくれているフォロワーさん方も皆さん「モカ様」と呼んでくれるのが密かに嬉しい。

モカは2015年08月28日に雅の元にやってきた。何かの事情があり、飼えなくなった前飼い主から譲り受けた個体。その時からすでに成体サイズであり、推定5歳以上とみられている。

人工飼料は一切受け付けない、生き餌大好きでずっしりおっとりした性格のオス。天使。

ニシアフリカトカゲモドキ Hemitheconyx caudicinctus 

呼び名はティラミスちゃん。非常にビビりで繊細な性格のワイルド個体。

2020年2月1日にショップにてモカ様のお嫁さん候補としてお迎えをした。現在、推定1歳半の若いメス。最近は人間に対する恐怖心を少しでも減らすために、ケージ前に張っていた目隠しを外し、たまに10~15分のハンドリングを行っている。

写真は爆食後、ウェットシェルターの上に自力で登り、くつろいでいるところ。

モカ様と同じく人工飼料は一切受け付けない、生き餌大好きワイルド女子。食べ盛りでかわいい。

オカダトカゲ Plestiodon latiscutatus 写真は卵がお腹にある♀

呼び名は特になし。うちには写真のメスの他にも、以下に紹介するがこの個体が産んだ幼体もを飼育している。

写真のメスは2019年8月に某所で捕獲。普段は土に潜っており、人間がいなくなると姿を現す、とっても警戒心の強いトカゲ。

この写真のメス個体が、2020年5月上旬に無事産卵し、抱卵を確認。

6月上旬に無事に孵化を確認し、母親と仔を分けて飼育開始。

オカダトカゲ Plestiodon latiscutatus 幼体たちの一部

呼び名は特にないが、全体的に「ばぶ」と呼んでいる。

母トカゲに守られて約40日間、無事に孵化してきてくれてありがとう。かわいくてかわいくて、仕方ない。孵化から3か月が経つけど、10匹全匹が無事に成体になってくれるまで、あたたかく見守る覚悟でいます。

どんどん大きくなっていくのが目に見えてわかって、すごい。

この後登場するニホンカナヘビもそうだが、トカゲの幼体は野生で捕ってきてもストレスからか拒食を起こし、そのまま死なせてしまった過去があるため、野生で見かけても捕まえて育てることはしてこなかった。

今回、ほぼ初めての幼体からの飼育ということで日々記録をつけて観察し、今後の飼育に貢献できるような飼育方法の提案や知見を深めていきたいと思う。

ヒガシニホントカゲ Plestiodon finitimus ♀

呼び名は特になし。上記で紹介したオタガトカゲのメスと同じく2019年8月に捕獲。

写真からも分かる通りとっても逞しい体型をしているので一瞬オスかと思う。

(2020年9月5日まで先ほど紹介したオカダトカゲをヒガシニホントカゲとして紹介しておりましたが、よくよく分布域を論文で確認したところ、オカダトカゲであることが判明しました。そして、ツイキャスなどでヒガシニホントカゲかわからないと紹介していた上記の個体はヒガシニホントカゲで合っているであろうことが分布域から判明。オス個体も飼育しておりますが、捕獲地不詳のため、同定でき次第こちらで紹介します。難しいと思うと同時に新たに知ることが楽しいとも感じます。)

今までヒガシニホントカゲと誤情報をお伝えしてしまっていた件について、訂正し、改めてお詫び申し上げます。

ニホンカナヘビ Takydromus tachydromoides 写真は脱皮直前の♀

呼び名は特になし。写真のメス以外にも、もう1匹のメスとオスの計3個体飼育していた。

※尾切れメスは2020年5月20日ごろから餌を受け付けなくなり、呼吸のたびにぷすぷすと音が鳴っていた。温めながら隔離し、細菌を殺すために治療を施したものの、2020年5月28日に治療の甲斐なく死亡。

※不思議な寝相に定評のあったメスは、大きい餌を無理に食べようとした?のか顎が腫れ、中から血が滲み出てくる症状が起こった。口腔内もマウスロットのような状態になり、消毒と絞り出しの治療を行っていたものの、2020年8月24日におそらく細菌感染からの治療のストレスに耐え切れず死亡。

※一番体の大きかったオスは、不思議な寝相に定評のあったメスが死亡した直後から活発でなくなった。おそらく同居していたせいか?何か細菌がオスの身にも及んでいたのかもしれない。餌は食べ、水も自力で飲んでいるのを数日前に確認したが、2020年9月7日の午後に死亡しているのを発見した。

なので、現在ニホンカナヘビは飼育しておりません。

2018年9月に3匹ともに成体サイズで捕獲。

雅が爬虫類に目覚めたきっかけになったのが本種である。日本の各地に生息し、自然が豊かではない住宅地付近にも生息するので一番目にしやすいのがこの種だと思う。皆さんも一度は見かけたことがあるのではないだろうか。ただし、飼育は一番難しいと感じる。

もはや思い出がありすぎて、ここではコンパクトに語れないのが残念…機会があれば、ニホンカナヘビの思い出話もしたいなぁ。

よくニホントカゲとニガシニホントカゲとニホンカナヘビが混同認識されているのをネットで目にする。ニホンカナヘビは鱗がかさついていて、ざらざらしており、眼も鋭くかっこいい印象。対照的に、ニホントカゲ、ヒガシニホントカゲではつるつるとした鱗をしており、うるうるくりくりのかわいらしい黒眼をしている。

クロサンショウウオ Hynobius nigrescens 雌雄不明

呼び名は特になし。雌雄不明な個体を2匹飼育している。写真はアップになっているが、実際の大きさは全長6cmほど。

この個体たちも、いろんな理由があって譲り受けた。詳しくは雅のYoutubeをご覧頂きたい。譲り受けてから3年ほど経過していると思う…(当時の記録が紛失…)

今まで紹介してきたのは爬虫類でしたが、本種は両生類ですので、水分に依存しています。常に餌を欲しているので、人間が近くを通ると首を動かして見つめてくる。

見てください。このうるうるな黒眼で見つめられます。かわいい

クリイロハコヨコクビガメ Pelusios castaneus ♂

呼び名はくりちゃん。2019年10月か11月に雅宅にやってきた、捨てられてしまっていた個体。

悲しいことに、飼育していたが脱走してしまったり、このくりちゃんのように飼いきれなくなって野外に放たれてしまう爬虫類が非常に多いのが現状です。くりちゃんが家にやってきた経緯は雅のYoutubeの動画内にてご紹介しておりますので興味のある方はご覧ください。

今は第二の人生(カメ生?)として、わたしが可愛がって大切に飼育しております。

人間が動くたびにくりちゃんも餌をくれとばかりに寄ってきて、ガリガリとプラケースを引っ掻いて立ち上がって大暴れ。つい構ってしまいたくなる…雅宅にいる他の子らは大半が構うなとばかりに逃げていくから…。

爬虫類に出会ってから14年ほど経ちましたので、彼らの考えていることは何となくわかるようになりましたが、まだまだ、ヘビやカメなど個人的に飼育したことがない種も多くいるのでこれからも飼育しながら勉強させてもらおうと思っています。

以上で雅宅で飼育している動物紹介を終わります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

飼育員って何をする仕事?

※これからお話する内容は施設や役職によって変わることがあるので参考程度にお考えください。

飼育員の普段の仕事って、何をしているかご存知ですか?

たぶん、動物たちのお世話!という印象が強いと思います。もちろん飼育員の仕事の中に動物たちのお世話は入ってくるのですが、それ以外にもお仕事の種類はたくさんあります。

動物園が好きな方、動物園の飼育員になりたい方、飼育員が普段どんなことをしているのか知りたいですよね!今回、あくまで一例にはなってしまいますが、元 両生爬虫類飼育員である雅が簡単に解説していこうと思います。

はじめに

大体どこの動物園、水族館でも自分の担当動物といって、数種類の動物種ごとに担当が割り振られています。たとえばあなたは魚の中でも海水魚担当ね、あなたはペンギンとペリカン担当ね、というような感じです。それを踏まえて、

1、担当動物の清掃、給餌、病気治療などの管理

2、担当動物の解説

3、一般の来園者、学校の生徒、先生向けプログラムの企画立ち上げ

など…大きく分けて3つに分けられます。

担当動物の清掃、給餌、病気治療などの管理

清掃、とはそのまま掃除のことです。

動物は生きていますから、糞もしますし、餌を食べる時にケージ内(動物たちが暮らす場所)を汚してしまいます。

もし掃除をしないままほっておくと、糞や飲み水が汚染され細菌が繁殖し、動物たちが細菌感染を起こしたりして病気になる恐れがありますので、展示されている動物たち、バックヤードで飼育されている動物たちのケージは定期的に掃除をします。

動物園や水族館に行った際に、一度は飼育員がケージ内もしくは水槽内を掃除しているのを見たことがあるのではないでしょうか。展示動物の飼育場所が汚いと、見てくれるお客さんも良い気分にはなりませんよね。

給餌(きゅうじ)とは、餌を与えることです。

ただ餌をやればいいかと言われれば、それは違います。

動物は人間の言葉を話してくれません。そこで、餌の食いつき具合や食べ方をよくよく観察して、普段と違った食べ方をしていないか、いつも完食する量を食べきれているかなどを確認します。いつもならすぐに食いつくのに、今日は食いつかないな、食べる量が少ないな、なども見ています。

例えですが、普段と違った食べ方をしているのならば口腔内に何かが出来ていて(口内炎など)食べずらそうにしているかもしれないということが考えられますし、いつも完食する量を食べきれていないのならば、体の調子(内臓系か?ストレスか?)が悪いかもしれないということが考えられます。

この餌やりは普段元気なときからしっかり観察していないと、いざという時、異変に気づくことができません、もしくは気付くのが遅れてしまいます。以上のことから、餌やりひとつ取っても、大事な健康チェックになります。

病気治療とは、病気になった動物、ケガをした動物を看病することです。

飼育員の下調べやアイデアによって努力をして自然環境に近いような飼育施設や飼育設備を整えている動物園、水族館でもどうしても病気になってしまう動物、複数個体で飼育していれば仲間と喧嘩をしてケガを負ってしまう動物がいます。

そういった動物は隔離し(単独のケージに移動させること)、病気、ケガの原因を探りながら治療をしていきます。動物園、水族館によって変わってきますが、その施設専属の獣医さんがいらっしゃる場合は獣医さんと飼育員、力を合わせて治療に取り組みます。

動物園施設自体の考え方や、飼育員の負担、獣医さんの判断、病気の進行具合やケガの程度によっては見放されてしまう動物ももしかしたらいるかもしれませんが、わたくし雅自身は、不治の病以外でしたら絶対に動物たちを見捨てたくないと思っています。

担当動物の解説

施設によっては飼育員ではなく、解説員という名の完全に来園者に向けた解説の仕事のみを行う役職のある動物園、水族館も存在しますが、今回は飼育員が行う解説の仕事についてお話します。

皆さんもきっと一度は動物園、水族館で「飼育員の解説」を聞いたことがあると思います。

それはどんな場面だったか、思い出せますか?

きっと多くは、「餌やり」のタイミングだったと思います。

この餌やりの際、ただ餌をやりながら解説をしているわけではなく、先ほども説明したように実は動物の餌の食いつきや食べた量を見て把握しているのはもちろん、幼稚園保育園生から親子、お年寄りまで日々幅広い年齢層のお客さんが見に来てくださるので、その方たちに合った言葉をその場で選んでわかりやすい解説をするように心がけています。

例えば、小学校低学年の子たちに、専門用語や難しい言葉を使って話していてもすぐに飽きられて別の動物に意識が持っていかれてしまいますね。

その場にいる年齢層に合った言葉選びを心がけて、自分の担当動物のこんな行動が見どころだよ!ここが面白いよ!と飽きさせないトークをしながら、魅力を直接伝えるチャンスなのでこの時間は特にしっかりとお話しします。

餌やりの時間は普段動かずじっとしている動物でも少し動いたり、食べている様子を観察して頂けるので、動物にあまり興味がない方でも、この時はしっかり観察、解説を聞いてくださる印象です。

有り難いことに皆さん共感してくれたり、面白かったと言ってくださったり、興味がなかった方の興味を得られたりしますので、飼育員としてすごく大切な仕事の一部だと感じています。

より良い解説をするためには日々、飼育をしっかり行い動物の細かな行動観察、外部からの情報収集も欠かせません。

一般の来園者、学校の生徒、先生向けプログラムの企画立ち上げについて

先ほどお話ししたのは一般の来園者に向けた日常的に行われる解説プログラムについてのお話でしたが、事前応募制の特別プログラム(例えば夜間に行うもの等)だったり、団体で来園される学校向けのプログラム(小動物のふれあい体験等)だったり、学校の先生に向けたプログラム(学校の授業に貢献できるような内容等)だったり、実はいろいろな種類があります。

こういった、一般の来園者に向けて日常的に解説を行っているもの以外にも、事前募集制プログラムだったり学校の団体のプログラムだったり学校の先生に向けたプログラムも、現場で動物を相手にしている飼育員だからこそ、仕事として担当することがあります。

事前募集制の特別プログラムでは、テーマがすでに決められていることが多く(例えば、産気づいたキリンの飼育員は夜間にどんな体制で見守っているのか、生まれた後はどんなことをするのか等)、テーマとなる動物に興味のある方が集まって参加されるので、内容もかなり細かく、専門的に解説することができます。ですので、満足度もうまくいけばかなり高いものになりやすいです。

逆に団体で来園される学校向けのプログラムになると、学年にもよりますが全員が動物に興味、理解、関心があるわけではないので、専門的な解説をすると飽きられてしまいます。どんな学年なのかを事前に知ったうえで、皆さんがわかるように、できれば興味を惹きつけられるような解説をしなければなりません。

最後に学校の先生に向けたプログラムですが、わたしは実際に担当、経験していませんので偉そうなことは言えませんが実際に近くで企画をしている場面を見ましたので軽く解説します。

先生方に向けて、もし希望されるテーマがあるのであればそのテーマについてかなり専門的に、詳しく、かつ子どもたちの授業に還元できるような解説をしなければなりません。個人的にはこれが一番難しいのでは?と感じていますが、これも飼育員の仕事になるので頑張るしかないですね。

学校の先生ですので、根拠なども正確にお伝えしないと先生によっては鋭い質問や突っ込みをされてしまうことがあるかもしれません。もし今後わたしが動物園施設に復帰して、学校の先生に向けてプログラムを行うことになったら、準備期間には文字通り、死に物狂いで勉強すると思います。(笑)

以上、大きく分けて3つ、飼育員の仕事をお話してきました。

たぶん知らなかったこともあるかと思いますが、これはあくまで一例で、これ以外の仕事も請け負っている飼育員もいらっしゃいます。わたしが経験したものですと動物専門学生さんや大学生さんのインターン実習の対応、必要物品や餌の発注、電話対応などです。

この話を聞いた皆さんの中の飼育員のイメージがどう変わったのか気になります…

なかなか飼育員とお話しする機会もないと思いますので(わたしの場合元 飼育員ですが…)気になることがあればコメントでお知らせください。回答できる範囲でお答えします!

それでは、今回はここで終わりにしたいと思います。

最後まで見てくださってありがとうございました!また次の記事でお会いしましょう!

爬虫類を飼う前に知って、考えてほしいこと

こんにちは!雅です。

もしかするとYouTubeやTwitterからこちらのブログにアクセスしてくださった方もいらっしゃるかもしれませんが、初めましての方もいらっしゃると思いますので簡単に自己紹介をさせてください。

わたしは2020年2月末まで両生類、爬虫類の飼育員として働いておりました、雅(みやび)と申します。自宅ではニホンカナヘビやヒガシニホントカゲ、ニシアフリカトカゲモドキ、クリイロハコヨコクビガメといった爬虫類から、クロサンショウウオという両生類、あとは彼らの餌となるコオロギやゴキブリたちと暮らしています。

初めてのブログ記事ということで、何をテーマに深堀りしようかな~と思っていたのですが、やはり最初は「爬虫類を飼う前に知って、考えてほしいこと」でないと、と自分の中で即決でした。(笑)

最近は新型コロナウイルスの影響で外出の自粛が求められていますね。雅宅にはテレビがないので、実際のテレビ番組を見ていないですが、飼いやすいペットランキングで爬虫類からはヒョウモントカゲモドキがランクインしていたみたいです。

確かに、爬虫類は犬や猫、鳥のように激しく鳴いたり(種にもよります)しませんし、小型種であれば広大な敷地は必要としない場合もあります。

ずっと爬虫類飼育に憧れていて、絶対に何があっても一生大事に飼育をする!という意思のある方は安心なのですが、わたしが懸念しているのは『途中で飽きたりめんどくさくなって飼育を放棄する可能性のある飼い主が現れること』。

テレビ番組の影響は物凄いです。事前の下調べなどなしに、かっこいいから、かわいいから、飼育が楽だからという安易な理由で爬虫類を飼育し始める方が少なからずおられます。思っていたのと違った、飼いきれなくなったなどの理由で野外に放棄される爬虫類も実際に見ましたし、動物園施設で働いていた際も幾度となく「引き取ってほしい」というお問合せに対応しました。

これから、爬虫類の飼育を検討されている方に向けて「爬虫類の性格について」「何年生きるのか」「餌について」「病院について」「飼えなくなったら動物園施設にもっていけばいいのか?逃がせばいいのか?」という5つの項目に分けて、爬虫類を飼育する前に知っておいてほしいこと、考えてほしいことをお話しします。

爬虫類の性格について

簡単に爬虫類の性格について説明をすると、犬猫のように人間に対して懐くことはありません。爬虫類に関わったことがない方には理解しにくいかと思いますが、犬や猫が人間と同じように感情を持って、人間が悲しんでいるときに慰めてくれたり、何か行動して愛情を示してくれるのとは違い、爬虫類は人間に対して感情的になって慰めてくれたり、一緒に喜んでくれたりすることはありません。

彼らが実際に飼育者のことをどう思っているのかは、わかりませんが…。

たいていの爬虫類は人間の存在を確認すると逃げる、威嚇する、性格にもよりますが最悪咬み付いてくるし、人間とかかわる事自体をストレスと感じています。

なぜストレスだと言い切れるのか?それは、嫌なことがなければ逃げないし、威嚇もしないし、咬み付いてこないし、体色も暗くくすんだりしないですよね。

ただし、人間の手によって品種改良され、家畜化されているようなメジャーな爬虫類、フトアゴヒゲトカゲやヒョウモントカゲモドキ、ボールパイソンなど、そもそも性格が穏やかな子などは比較的おとなしく、触っても威嚇してこない、むやみやたらに咬み付いてこないことが多いです。

爬虫類はなつかない代わりに「慣れる」ことはあります。

餌の準備をしていると寄ってくる、とか触っても逃げない、威嚇しない、咬まないといった感じです。よく慣れたトカゲモドキや水棲カメは飼い主が餌の準備でごそごそしていると、ちゃんと人間を見ているのでそちらもごそごそ動き始めます。また、ヘビ類になるとケージ内にいても空気穴から餌の哺乳類の匂いを嗅ぎつけて歩き回り、積極的に餌を欲します。

以上の爬虫類の性格を軽く知った上で、思っていた性格と違った、という理由で安易に手放さないか、自分に問いかけてみてください。

何年生きるのか?

爬虫類は非常に長生きです。だいたい一般の方が飼育しているのはヘビ、トカゲ、ヤモリ、カメあたりだと思いますが、一番長生きをするのはカメです。爬虫類の飼育者の中でも一番飼育になじみがあるのも、カメですね。昔は夏祭りで金魚すくいならぬカメすくいというものもあったからでしょうか。

そんなカメの関わるこんなことわざがあります。「鶴は千年、亀は万年」。

上記のことわざの亀はおそらく100歳以上生きることができるゾウガメのことをさしているのではないかと思います。余談ですが最も長生きをすることで知られるガラパゴスゾウガメは甲長(甲羅の長さ)が120センチほどまでに成長します。広大な敷地とたくさんの餌となる草が必要です。動物園施設でないと飼育は困難と思われます。

それでは皆さんが一般的に飼育する機会のありそうなミシシッピアカミミガメやクサガメの寿命はどうでしょうか。…なんと、飼育下で50年は生きます。

先ほど述べたガラパゴスゾウガメには遠く及びませんが、かなり長生きですよね!

天敵のいる自然界に比べて、敵のいない飼育下で寿命がのびるのは必然ですね。もともとの持病がなかったり、飼育の不備がなければみんな長生きできるのです。カメ以外にも、ヒョウモントカゲモドキが20歳を迎えた、という話も耳にしたことがあります。今具体的に上げた以外にも、他の種類の爬虫類も何十年と生きます。

こんなに長生きをする爬虫類ですので、爬虫類が亡くなる最期まで責任もって飼育できるのかをきちんと考えなければなりませんね。

もし飼育者がやむおえない事情で爬虫類たちを飼育できなくなってしまった場合は、家族や友達や飼育仲間で安心して預けられる方を見つけておくと良いです。野外に放つことは絶対にやめましょう。

餌について

爬虫類は肉食、昆虫食、雑食、草食….など種類によって様々な餌を準備しなくてはなりません。一番耳にすることが多いのは、「え、虫嫌い、気持ち悪い、触りたくない」といった言葉です。

昆虫食や雑食爬虫類であればコオロギ、ゴキブリが餌となります。

餌昆虫は生きたまま飼育管理しストックするか、冷凍してあるものを購入する。

肉食であれば生きたネズミを飼育管理しストックするか、冷凍されたネズミを購入する。

草食なら常に野菜等の植物を栽培するか、購入しストックしておく。といったことが必要になります。

最近は昆虫が苦手な方のためにレオパゲル、レオパブレンド、グラブパイなどの人工飼料もたくさん販売されていますのでそれを使うこともできますが、わたし自身は補助程度に与えた方が良いかなと考えています。

理由は、嗜好性が高い(それしか食べなくなる)かもしれないのと、そもそも人工飼料をまったく食べないものもいるからです。うちのニシアフリカトカゲモドキたちがまさにそれです。また、人工飼料はものによっては高栄養なイメージがありますので、それだけを与え続けて果たして大丈夫なのだろうか…という疑問があります。

レオパゲル単食で長期飼育、繁殖に成功した、と公式にありますが実際にわたしはレオパゲル単食で飼育はしないので何とも言えません。

きついことを言いますが、そもそも昆虫を野生下で食べて生活している動物に、苦手だから、手間だから、という人間側の勝手な理由で生きた昆虫を与えられないのはいかがなものかと思います。

人工飼料を全否定しているわけではありません。実際にうちにも食べるのは餌昆虫ですが、レオパブレンドとレオパゲルは常備しています。たまに、おやつ程度に与える分には問題ないかなとは思います。

また、飼育下の餌ではカルシウム、ビタミン、ミネラルなどが不足しますので、爬虫類用に販売されている粉状の各種サプリメントを餌にまぶして与えます。これを怠ったりバランスよく与えないと、代謝性骨疾患(いわゆるくる病)と呼ばれる顎が上下ぴったり合わなくなったり、肢や尾の骨が変形してしまったり、低カルシウム血症を発症し、下半身が動かなくなったり、神経症状が起こる場合があります。

厳しい言葉かもしれませんが、爬虫類はかわいくて飼いたいけど餌である昆虫が気持ち悪くて無理、と克服する努力をしない、または爬虫類の健康管理について調べたり気を付ける努力ができないのなら、あなたと動物のために、飼わないことをお勧めします。

病院について

爬虫類を診てもらえる病院はかなり限られています。普通の犬猫の動物病院では受け付けていないことの方が多いですし、もし受け付けてくれたとしても爬虫類を診られる獣医さんならスパッと終わる処置も、簡単に処置できないこともあるかもしれません。

なので、必ず爬虫類を診てくれる動物病院を事前に探しておくことが大切です。いざ何かあってから病院を探し始めて、ってやっているとその分時間ロスですし、爬虫類は診れないから、と断られる不安もなくなります。

関東では都内にいくつか爬虫類を診ていただける動物病院がありますので、ご自身で検索をしてみてくださいね。

でも一番は病院に行くことになる前に予防しておくこと、これが重要です。

生体を日ごろからよく観察していないと気づけないような行動をしていることもあるし、なによりも爬虫類は慣れていないと表情がわかりにくいのと、限界まで我慢する(隠している?)ので、その分手遅れになりやすいです。

日ごろからの観察、栄養状態の管理、環境設備の管理をしっかりしないといけませんね。

飼えなくなったら動物園施設にもっていけばいいのか?逃がせばいいのか?

結論から言うとこれはどちらもNGです。

飼いきれなくなった動物は動物園、水族館に引き取ってもらおうとすることはやめてください、また、野外に逃がさないでください。

厳しい言葉かもしれませんし、知らなかった方も多いと思いますのでお伝えしますが、動物園、水族館はそもそも一般の方が飼えなくなった動物を引き取る施設ではありません。

動物園、水族館にすでにいる動物たちに、持ち込まれた動物のみが保有していた細菌などによって死亡してしまう恐れがあります。持ち込みをされる方は良かれと思って(寄付的な心理かな?)いるのでしょうけれども、実際にはそのような理由から一般の方からの動物の受け入れは行っていない施設が多いです。

わたし自身、働いていた時に何度も何度も飼えなくなった動物を引き取ってほしいという問い合わせに対応しましたが、どうしてこうも無責任なのか、今も理解できません。

動物は使い捨てのおもちゃではありません、皆さんと同じように生きています。

また、もともと住んでいない自然の山や川などに逃がすことも、日本に住むほかの生き物たちの住み家を奪ったり、餌を奪ったり、ワイルド個体ならば外国にしかいない寄生虫が日本の動物たちに影響を与えたりと数々の被害がある可能性が出てくるのでやってはいけません。

ただ、もとから日本に住んでいる動物で、捕まえてきてちょっと飼ってみたけどどうしても飼えなくなってしまった…という場合は、地域固有の遺伝子を守るために必ず元いた場所に返します。

以上を踏まえて、動物の命を預かって、責任を持って、最後まで飼育できる自信はありますか?

少しでも多くの方が飼育動物に対して自分なりに考えるきっかけになってくれればうれしいです。

もしあなたの周りに、爬虫類やほかの動物飼いたいけど何を知っておくべきなのかわからないという方がいれば、ぜひこの記事を教えてください。

長く、厳しいことばかりお話してしまいましたが、きちんと責任をもって最後まで飼育ができる方であればわたしはいくらでもサポートしていきたいと考えております。何か質問や、気になる事などありましたら、ぜひコメントをしてください。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

蜥蜴ノ雅(とかげのみやび)とはどんな人物か

ブログ始めました
  • 小5くらいの時にニホンカナヘビと出会い、そこから爬虫類の飼育に目覚める。
  • ニホンカナヘビ以前はダンゴムシとカタツムリを愛していた、生き物好き女子。
  • 小学生~社会人の現在に至るまで、国内に生息している両生類、爬虫類をメインに飼育をしてきた。
  • 高校は普通科を卒業、動物専門学校に入学するも周りの生徒はみな畜産系高卒だった。
  • そんなことおかまいなしに動物専門学生の特権を活かし、自分の得意分野を極め、動物園、水族館、ペットショップ、エキゾチック動物病院、ファームなど様々な企業を訪問し、実際に現場を見てきた。
  • 就活ではなかなか内定をもらえず、日々泣きながら過ごし、そんな中ついに第一希望の企業に就職。
  • 実際に仕事を辞めるまで飼育員として4年間、現場で働いていた。
  • 仕事を辞めた理由はどの企業でもあるがパワハラ、誹謗中傷。
  • 現在は現場を離れ、通院をしながらYouTube、Twitter、ニコニコ動画、当ブログで「飼育員を目指す方への発信」と「両生類、爬虫類の飼育初心者へ向けた発信」と「雅流餌昆虫や爬虫類の飼育発信」を行っている。
  • 実際に現場で働いていた時に感じたことや見たことなど裏話もこっそり発信していく予定。

当ブログの方向性と他SNSとの差別化について

  • 当ブログでは主にYouTube、ニコニコ動画にて発信している動画の内容を深堀りしたものを公開していく予定。
  • 動画では実際に動きを見せながら解説することができるし、身振り手振りで伝えることもできるが、尺的な問題もあり、大切で知ってほしい、伝えたい内容がどうしても頭に残りにくいような印象を受けた。
  • そこで文章化することによって、読み手が自分のペースで納得・理解するまで伝えたいことをくみ取れるのではないかと考え、ブログを運営することに決めた。
  • 動画配信しているものは初心者向けの簡単で分かりやすいもの、当ブログでは尺を気にしなくて良いので初心者向けのものであっても専門用語を解説しながら用い、少し動画よりもレベルアップしたものを提供していこうと計画中。

★動画内でもお話しているように、何か疑問があれば遠慮なくコメントを残してほしいと思っています★

当ブログを閲覧頂くにあたり、プライバシーポリシー・免責事項の一読をお願い致します。

以上、当ブログ管理主、雅の情報になります。

皆さんどうぞよろしくお願い致します。