雅流!オカダトカゲの幼体飼育~飼育編~

皆さんこんにちは!雅です。

前回投稿したオカダトカゲの死亡報告後、かなりショックを受けてしまいなかなかブログに手が付けられませんでした。しかし、このまま発信を辞めるわけにはいきませんので、本日は雅流のオタダトカゲの幼体、飼育編ということで、孵化から今現在までどんな感じで飼育しているのかを公開したいと思います。

前にもお話していたと思いますが、幼体、成体ともに特大プラケース、床材には細かいヤシガラを使用し、飼育しています。

こんな感じで重ねておけるので便利な特大プラケース。だいすき

グループ分けをして飼育中

まず、2020年11月5日現在の幼体の数は全部で9匹です。この9匹を、体の大きさと雌雄(なんと頭胴長が6~7センチの個体ではもうすでに喉が赤くなりはじめ、オスの特徴が出てきています)を見比べ、大体同じくらいの大きさで、雌雄の数も大体均等になるように2つの特大プラケースに分けました。

少し大きめの第一軍(仮)
少し小さめの第二軍(仮)

写真は2020年10月21日のものです。こうしてたまにヤシガラから掘り出してきちんと生きているか生存確認をするのと、体に異常がないかどうかチェックをしてます。

オスかも?な個体。アゴが全体的にうっすら赤くなっているのがわかります

どうして2つのグループに分けるのかというと、オス同士や他の個体と鉢合わせて喧嘩になるのを防ぐ目的と、十分な餌量を確保するためです。

皆さんきっとニホントカゲのオス同士の喧嘩の写真を、図鑑やSNSを通して見たことがあると思います。ニホントカゲと似たような感じで、オカダトカゲもオス同士、咬み付きあって喧嘩をします。もしかすると縄張り争いなのかもしれません(ソースを探しておきます…)

ですので、なるべくオス同士が接触する機会を減らすためにケースを分けて飼育している、ということ。

また、これだけの個体数がいると餌を積極的に食べにくる個体とそうでない個体が出てくるので、餌を食べに来るのが少し遅れてしまうと、餌がなくてどんどん痩せてしまう、成長ができないなど最悪死なせてしまう原因に繋がるおそれがありますので、なるべく均等にすべての個体が餌を食べられる機会を作るために、ケースを分けて飼育しています。

狭いケースで多くの個体を管理するのはかなり難しいことだと思います。うちにいる幼体たちはまだ小さいのでこのグループ分けで飼育していますが、もっと成長してきたら、先ほどお話しした喧嘩等の理由からオスは1ケース1匹ずつに分けて飼育しようかな、と考えています。

全然話が変わりますが、2020年夏に、この幼体たちのふるさとに行ってきましたが、その時点でのうちの幼体たちと野生の同い年の幼体たちで体の大きさが違っていて驚きました。

カンの鋭い方は感じていると思いますが、室内の飼育個体と野外の個体では孵化した時期が異なるのと、餌頻度も異なるので体の大きさは違うのは当たり前です。ですが、夏に見た野外の個体の大きさが、飼育個体の夏ちょっとくらい前の大きさで、ひとまわりくらい野外の個体の方が小さかったので、自分の飼育方法や餌頻度、餌昆虫たちの餌メニューなどを考え直した方が良いのかな…!??と考えさせられました。

孵化1年目、冬対策は?

皆さん想像ができると思いますが、日本の本州に住む爬虫類の多くは越冬をします。土の中に潜ったり、岩の隙間に隠れたり、落ち葉の下に潜って、冬を越すことですね。

日本の爬虫類や、外国の爬虫類、越冬して過ごす種なら冬の間は代謝を低くさせてそっと眠らせておいて、次の年の春にまた目覚めさせて飼育をしている方もよくいらっしゃいます。実際、実家に住んでいたころのわたしも、オカダトカゲやヒガシニホントカゲは外と同じような気温の部屋に置いておき、次の春から餌を与えて飼育するスタイルをとっていました。

しかし、飼育個体の越冬はかなりリスクがあります。

秋、冬が来る前にしっかりと栄養をつけさせておいて、何か月も餌を食べないでも耐えうる健康な体を作る必要があること。

次の春にケースを覗いてみたら、とっくに死んでしまっていた!とか、春を迎えられたが餌を受け付けなくてそのまま衰弱して死んでしまった…とか。経験もあれば、聞いたこともあります。

細かい原因はここでは話しきれないくらい考えられます。

このリスクを背負って冬場は寒い部屋で飼育をしようかな…と考えていましたが、実際に今住んでいる家の中で一番寒い場所の気温を測ると20℃を超えており…!

築年数のそんなに経っていない綺麗な集合住宅の快適さを思い知りました…。

20℃では、トカゲが中途半端に覚醒してしまい、無駄に体力を消耗してしまいます。これでは家で越冬は無理だ…と判断し、他の外国産爬虫類たちのいる暖かい部屋で冬を越してもらうことに決めました。

ですので、現在は夏場より餌の頻度はおさえていますが、昼間は太陽でバスキングをし、夜も暖かい部屋で、これまでと何ら変わりなく飼育しています。

体もずいぶん成長してきましたので餌は3日に1回、全個体が食べられるように少し多めにお皿に生きた昆虫類を入れて与えています。孵化したての頃は毎日与えていました。

こんな感じで現在は飼育をしておりますが、今後もどう管理したら健康に、長く生きてもらえるのか、完全に手探り状態ですが試せるものはどんどん試してみて、こうして皆さんにお伝えできればなと思います。

まだオカダトカゲの幼体飼育で伝えきれていないことがあるので、記事が書けましたらまたこちらのブログに載せます。

最後までご覧いただきありがとうございます。

またブログor動画でお会いしましょう!

前々回のブログに貼り忘れていた動画( ˘ω˘ )

オカダトカゲの孵化について

オカダトカゲ 幼体 Plestiodon latiscutatus

皆さん、オカダトカゲという日本固有種のトカゲをご存知ですか?

伊豆半島と、静岡県のお隣にある初島、伊豆諸島の伊豆大島から青ヶ島に分布するトカゲです。伊豆諸島の名前だけ言われてもわからないな~という方はぜひ、「伊豆半島 名前」で検索してみてください。実際にその島々の配置を見ると、昔は陸が繋がっていた…というのがなんとなくわかると思います。

そして、何といっても他の種類である「ニホントカゲ」と「ヒガシニホントカゲ」との外見の判断が難しく、パッと見では全部同じ種類に見えてしまいますね。

簡単にご紹介しますと、皆さんがよく知っているニホントカゲは近畿地方以南の本州、四国、九州とその周辺の島々に分布しており、ヒガシニホントカゲは伊豆半島を除く近畿地方以東の本州と北海道とその周辺の島々に分布しています。

オカダトカゲ、ニホントカゲ、ヒガシニホントカゲの詳しいお話はいろんな論文を読んでわたしがきちんと皆さんにお伝えできるようになりましたら、こちらでもご紹介したいと思います。

前置きが長くなりましたが今回は「オカダトカゲの孵化について」お話していきたいと思います。

飼育動物の紹介欄にあるように、2019年8月に捕獲した成体♀が翌年2020年4月21日に腹に卵を持っているのを確認しました。

腹が卵でボコボコしているように見える オカダトカゲ ♀ Plestiodon latiscutatus

おわかりいただけたでしょうか。

普段はスマートな横腹が、卵確認時はボコボコしていて、誰が見ても卵を持っている状態。本来ならこのような時期のメスはあまり触らずほっておいた方がいいと思いますが、あまりの感動と興奮でよく見える角度で数枚写真を撮らせていただきました。

この時(というか今もですが)は雅イチオシの特大プラケース(約43×35×27)にこのオカダトカゲと、ヒガシニホントカゲの成体オスメスの計3匹で飼育しており、床材は爬虫類用のヤシガラを厚めに敷いていました。

他に移動させる場所もなく、あまりちょっかいをかけるとストレスになるな、このままこのプラケで管理しようか?新しくプラケを買うか?と悩んでいた2020年5月1日の夜、なんとなく特大プラケースを持ち上げ底を見てみると、生まれている!!!!!!

卵の数は11個…に見える気がする、メスが卵に寄り添っている

これまた感動!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

あまり揺らすとメスのストレスになると思い、この時も数枚だけ写真を撮らせていただきました。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますがオカダトカゲ、母親が卵が孵化するまでの約40日間餌を食べずに卵をなめたり転がしたり少し移動させたりしてお世話をするのです。不思議ですよね…ちなみに同じ日本固有種であるニホンカナヘビの場合は卵の世話はせず、産卵したら母親はどこかへ行ってしまいます。

ちなみにこれまでの管理で気を付けていたことと言えば、産卵数日前から完全に表に出て来なくなったのと、お腹があんな状態なので当たり前ですが餌をまったく食べないので、せめて水分でも…と思い、全体的に湿りすぎない程度にキリフキをかけていました。

先ほどもお話ししましたが、この母親以外にも他に2匹のトカゲが同居しています。

ここで真っ先に心配になったのが、母親が他のトカゲにちょっかいかけられて育児放棄もしくは卵を食べてなかったことにしてしまうこと、また、他のトカゲが卵を食べてしまわないかということ。

様々な不安が頭をよぎりましたが、もうここで産んでしまったのなら人間が手を出したら最後、何がおこるかわからないと思い、思い切ってこのまま他のトカゲと同居させたまま、孵化まで持っていけるか試してみることにしました。

実はわたしは過去にも別個体での産卵経験があります。その時はヒガシニホントカゲだったかな…?5、6年前なのでうろ覚えです。少し、そちらのお話もしますね。

そのヒガシニホントカゲは、もっと小さいプラケースに隔離し、ヤシガラを敷き詰め、ヤシガラの真ん中に少しくぼみを掘り、その上に樹の皮を乗せてシェルターにしました。わたしの読み通り、数日後にすぐそのくぼみに産卵したメス。わたしは初めて生でトカゲの卵を見る事が出来てうれしくてうれしくて、シェルターをどかしてミラーレス一眼で写真を撮りまくりました。

その数日後、毎日の日課となっていたトカゲと卵の観察のため、シェルターをどかすと、卵がひとつも残っていません。

小さなプラケースに入れていたので他の敵もいませんし、餌昆虫も放っていません。ヤシガラを掘っても掘っても、卵が見つかりません。いるのは、卵を産んだメスだけ。この時初めて、わたしは自分がやらかしてしまったんだと、思いました。トカゲの嫌がることをして、ストレスを与えて、メスは自分で産んだ卵をひとつ残らず食べてしまったのです。

それだけではなく、普通なら白い卵を産むはずですが、最初から産んだ卵はピンク色で、なぜだろう?と当時の自分は不思議に思っていましたが、経験のある方にうかがったところ、親の栄養不足によるもの、と言われてしまいました。

わたしはこの時の経験が物凄く頭に焼き付いていて、もし今後産卵するトカゲを飼育する機会があったら、同じ過ちは絶対にしない、と誓いました。

これで、先ほどからストレスをかけないように慎重になっていた理由が皆さんにもおわかりいただけたかと思います。

オカダトカゲの話に戻りますが、結果は大成功。運が良かったのか、他のトカゲが母親にちょっかいかけることもなく、母親もきちんと卵の世話をし、孵化するまでの約1ヵ月と少しの間、餌は何も食べず卵に寄り添っていました。

また別の日。見るたびに卵の位置とメスの寝相(?)が変わる
たまたまだと思いますがメス同士寄り添う、びっくりした

上の写真は衝撃を受けました。なんと、卵を守るメスに寄り添う形でもう一匹のヒガシニホントカゲのメスが寝て(?)いました。皆さん確認できますか?ヒントは尻尾の数です!

そして2020年6月5日の夜、ゆっくりとプラケースを持ち上げてみると、いつもある卵がしおれている!そして、とても小さな青い尻尾を1匹分確認。感動の瞬間でした……。

その時は夜だったので、そのまま安静に置いておき、次なる課題へ。

そう、今度こそ孵化したての幼体たちが他のトカゲに食べられてしまうのではないかという恐怖…!!!!!

よく図鑑には、母親とこどもはしばらくともに過ごす、とありますが、具体的にいつ頃土から出てくるのか全く分かりません。自分の当時の記録によると、孵化確認から次の日2020年6月6日の13時になっても母親もこどもも土から出てきません。

食べられてしまうという不安から同居している母親以外の2匹のトカゲを当時飼育していたニホンカナヘビのプラケースへ移動させる決心をし、ゆっくりとヤシガラを掘ると、なんと幼体たちがいた場所を掘り当ててしまったらしく、ぶわあああっと青い綺麗な尻尾を持った小さなトカゲたちが4匹、一斉に地上に出てきてしまいました。

その時の内心「うわああぁっぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!ごめんんんんんんんnんnn」

なんとか弱い幼体たち、自力では細かいヤシガラを掘って潜ることができないらしく、ずっと地上でバタバタ。

ここでわたしは予定を変更。同居トカゲではなく、幼体だけを取り出して隔離することにしました。母親と幼体、一体どのくらいの期間一緒に過ごすのか、とても気になりましたが幼体の安全を第一に考えます。

とりあえず掘り起こしてしまい、潜れない4匹を幅30cmの小さな水槽に移動。この水槽にはヤシガラではなく赤玉土を利用。(理由は幼体飼育編の時にお話しします)

母親のいるプラケースの底に2匹の幼体の姿を確認。この時点では6匹は確実に孵化したことがわかりました。

2日後の2020年6月8日。朝9時ごろ、母親のいるプラケースの方で地上に幼体が3匹、バスキングをしているのを目撃しました。この時点では7匹が確実に孵化していますね。水槽に隔離した幼体たちもバスキングをしていたので事前にこの子たちのために繁殖させておいたフタホシコオロギの幼虫とワラジムシを餌皿を使って与えてみるも、食べず。しかし、30分くらい放置していたら1匹がワラジムシの小さいのを食べているのを見かけました、これまた感動。

そしてその日のうちに母親と同居トカゲ2匹をニホンカナヘビのいるプラケースへ移動させ、完全に幼体専用プラケースになりました。

2020年9月13日現在、卵確認から産卵、孵化、飼育でおよそ4ヵ月が経ちます。今、幼体たちは一番初めに見ていただいた写真のとおり、すくすくと成長中です。

頭胴長(とうどうちょう)は小さい個体で4cm、大きい個体で5、6cmはあると思います。※頭胴長とは、鼻の先から総排泄口(おしり)までの距離のことを指します。トカゲなどは自切(敵から身を守るための手段として尾を切り、敵の意識をそらす)するので体長をはかるときはこれを用います。

次回は、オカダトカゲの幼体飼育について書きたいなと思っております!

試行錯誤しながら、日々こちらが勉強させてもらっています。ここまで読んでくださりありがとうございます。よろしければ、次回もまたご覧いただけるとうれしいです!(*´▽`*)

それでは、次回へ続きます!!!!

飼育動物種の紹介

2020年09月8日(火) 現在

ニシアフリカトカゲモドキ Hemitheconyx caudicinctus ♂

呼び名はモカ。モカ様、モカる etc…飼い主がモカのかわいさに興奮して呼び方が変わることがしばしば。基本的にはかわいすぎて崇め称えており「モカ様」呼びが定着している。インスタグラムで繋がってくれているフォロワーさん方も皆さん「モカ様」と呼んでくれるのが密かに嬉しい。

モカは2015年08月28日に雅の元にやってきた。何かの事情があり、飼えなくなった前飼い主から譲り受けた個体。その時からすでに成体サイズであり、推定5歳以上とみられている。

人工飼料は一切受け付けない、生き餌大好きでずっしりおっとりした性格のオス。天使。

ニシアフリカトカゲモドキ Hemitheconyx caudicinctus 

呼び名はティラミスちゃん。非常にビビりで繊細な性格のワイルド個体。

2020年2月1日にショップにてモカ様のお嫁さん候補としてお迎えをした。現在、推定1歳半の若いメス。最近は人間に対する恐怖心を少しでも減らすために、ケージ前に張っていた目隠しを外し、たまに10~15分のハンドリングを行っている。

写真は爆食後、ウェットシェルターの上に自力で登り、くつろいでいるところ。

モカ様と同じく人工飼料は一切受け付けない、生き餌大好きワイルド女子。食べ盛りでかわいい。

オカダトカゲ Plestiodon latiscutatus 写真は卵がお腹にある♀

呼び名は特になし。うちには写真のメスの他にも、以下に紹介するがこの個体が産んだ幼体もを飼育している。

写真のメスは2019年8月に某所で捕獲。普段は土に潜っており、人間がいなくなると姿を現す、とっても警戒心の強いトカゲ。

この写真のメス個体が、2020年5月上旬に無事産卵し、抱卵を確認。

6月上旬に無事に孵化を確認し、母親と仔を分けて飼育開始。

オカダトカゲ Plestiodon latiscutatus 幼体たちの一部

呼び名は特にないが、全体的に「ばぶ」と呼んでいる。

母トカゲに守られて約40日間、無事に孵化してきてくれてありがとう。かわいくてかわいくて、仕方ない。孵化から3か月が経つけど、10匹全匹が無事に成体になってくれるまで、あたたかく見守る覚悟でいます。

どんどん大きくなっていくのが目に見えてわかって、すごい。

この後登場するニホンカナヘビもそうだが、トカゲの幼体は野生で捕ってきてもストレスからか拒食を起こし、そのまま死なせてしまった過去があるため、野生で見かけても捕まえて育てることはしてこなかった。

今回、ほぼ初めての幼体からの飼育ということで日々記録をつけて観察し、今後の飼育に貢献できるような飼育方法の提案や知見を深めていきたいと思う。

ヒガシニホントカゲ Plestiodon finitimus ♀

呼び名は特になし。上記で紹介したオタガトカゲのメスと同じく2019年8月に捕獲。

写真からも分かる通りとっても逞しい体型をしているので一瞬オスかと思う。

(2020年9月5日まで先ほど紹介したオカダトカゲをヒガシニホントカゲとして紹介しておりましたが、よくよく分布域を論文で確認したところ、オカダトカゲであることが判明しました。そして、ツイキャスなどでヒガシニホントカゲかわからないと紹介していた上記の個体はヒガシニホントカゲで合っているであろうことが分布域から判明。オス個体も飼育しておりますが、捕獲地不詳のため、同定でき次第こちらで紹介します。難しいと思うと同時に新たに知ることが楽しいとも感じます。)

今までヒガシニホントカゲと誤情報をお伝えしてしまっていた件について、訂正し、改めてお詫び申し上げます。

ニホンカナヘビ Takydromus tachydromoides 写真は脱皮直前の♀

呼び名は特になし。写真のメス以外にも、もう1匹のメスとオスの計3個体飼育していた。

※尾切れメスは2020年5月20日ごろから餌を受け付けなくなり、呼吸のたびにぷすぷすと音が鳴っていた。温めながら隔離し、細菌を殺すために治療を施したものの、2020年5月28日に治療の甲斐なく死亡。

※不思議な寝相に定評のあったメスは、大きい餌を無理に食べようとした?のか顎が腫れ、中から血が滲み出てくる症状が起こった。口腔内もマウスロットのような状態になり、消毒と絞り出しの治療を行っていたものの、2020年8月24日におそらく細菌感染からの治療のストレスに耐え切れず死亡。

※一番体の大きかったオスは、不思議な寝相に定評のあったメスが死亡した直後から活発でなくなった。おそらく同居していたせいか?何か細菌がオスの身にも及んでいたのかもしれない。餌は食べ、水も自力で飲んでいるのを数日前に確認したが、2020年9月7日の午後に死亡しているのを発見した。

なので、現在ニホンカナヘビは飼育しておりません。

2018年9月に3匹ともに成体サイズで捕獲。

雅が爬虫類に目覚めたきっかけになったのが本種である。日本の各地に生息し、自然が豊かではない住宅地付近にも生息するので一番目にしやすいのがこの種だと思う。皆さんも一度は見かけたことがあるのではないだろうか。ただし、飼育は一番難しいと感じる。

もはや思い出がありすぎて、ここではコンパクトに語れないのが残念…機会があれば、ニホンカナヘビの思い出話もしたいなぁ。

よくニホントカゲとニガシニホントカゲとニホンカナヘビが混同認識されているのをネットで目にする。ニホンカナヘビは鱗がかさついていて、ざらざらしており、眼も鋭くかっこいい印象。対照的に、ニホントカゲ、ヒガシニホントカゲではつるつるとした鱗をしており、うるうるくりくりのかわいらしい黒眼をしている。

クロサンショウウオ Hynobius nigrescens 雌雄不明

呼び名は特になし。雌雄不明な個体を2匹飼育している。写真はアップになっているが、実際の大きさは全長6cmほど。

この個体たちも、いろんな理由があって譲り受けた。詳しくは雅のYoutubeをご覧頂きたい。譲り受けてから3年ほど経過していると思う…(当時の記録が紛失…)

今まで紹介してきたのは爬虫類でしたが、本種は両生類ですので、水分に依存しています。常に餌を欲しているので、人間が近くを通ると首を動かして見つめてくる。

見てください。このうるうるな黒眼で見つめられます。かわいい

クリイロハコヨコクビガメ Pelusios castaneus ♂

呼び名はくりちゃん。2019年10月か11月に雅宅にやってきた、捨てられてしまっていた個体。

悲しいことに、飼育していたが脱走してしまったり、このくりちゃんのように飼いきれなくなって野外に放たれてしまう爬虫類が非常に多いのが現状です。くりちゃんが家にやってきた経緯は雅のYoutubeの動画内にてご紹介しておりますので興味のある方はご覧ください。

今は第二の人生(カメ生?)として、わたしが可愛がって大切に飼育しております。

人間が動くたびにくりちゃんも餌をくれとばかりに寄ってきて、ガリガリとプラケースを引っ掻いて立ち上がって大暴れ。つい構ってしまいたくなる…雅宅にいる他の子らは大半が構うなとばかりに逃げていくから…。

爬虫類に出会ってから14年ほど経ちましたので、彼らの考えていることは何となくわかるようになりましたが、まだまだ、ヘビやカメなど個人的に飼育したことがない種も多くいるのでこれからも飼育しながら勉強させてもらおうと思っています。

以上で雅宅で飼育している動物紹介を終わります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

爬虫類を飼う前に知って、考えてほしいこと

こんにちは!雅です。

もしかするとYouTubeやTwitterからこちらのブログにアクセスしてくださった方もいらっしゃるかもしれませんが、初めましての方もいらっしゃると思いますので簡単に自己紹介をさせてください。

わたしは2020年2月末まで両生類、爬虫類の飼育員として働いておりました、雅(みやび)と申します。自宅ではニホンカナヘビやヒガシニホントカゲ、ニシアフリカトカゲモドキ、クリイロハコヨコクビガメといった爬虫類から、クロサンショウウオという両生類、あとは彼らの餌となるコオロギやゴキブリたちと暮らしています。

初めてのブログ記事ということで、何をテーマに深堀りしようかな~と思っていたのですが、やはり最初は「爬虫類を飼う前に知って、考えてほしいこと」でないと、と自分の中で即決でした。(笑)

最近は新型コロナウイルスの影響で外出の自粛が求められていますね。雅宅にはテレビがないので、実際のテレビ番組を見ていないですが、飼いやすいペットランキングで爬虫類からはヒョウモントカゲモドキがランクインしていたみたいです。

確かに、爬虫類は犬や猫、鳥のように激しく鳴いたり(種にもよります)しませんし、小型種であれば広大な敷地は必要としない場合もあります。

ずっと爬虫類飼育に憧れていて、絶対に何があっても一生大事に飼育をする!という意思のある方は安心なのですが、わたしが懸念しているのは『途中で飽きたりめんどくさくなって飼育を放棄する可能性のある飼い主が現れること』。

テレビ番組の影響は物凄いです。事前の下調べなどなしに、かっこいいから、かわいいから、飼育が楽だからという安易な理由で爬虫類を飼育し始める方が少なからずおられます。思っていたのと違った、飼いきれなくなったなどの理由で野外に放棄される爬虫類も実際に見ましたし、動物園施設で働いていた際も幾度となく「引き取ってほしい」というお問合せに対応しました。

これから、爬虫類の飼育を検討されている方に向けて「爬虫類の性格について」「何年生きるのか」「餌について」「病院について」「飼えなくなったら動物園施設にもっていけばいいのか?逃がせばいいのか?」という5つの項目に分けて、爬虫類を飼育する前に知っておいてほしいこと、考えてほしいことをお話しします。

爬虫類の性格について

簡単に爬虫類の性格について説明をすると、犬猫のように人間に対して懐くことはありません。爬虫類に関わったことがない方には理解しにくいかと思いますが、犬や猫が人間と同じように感情を持って、人間が悲しんでいるときに慰めてくれたり、何か行動して愛情を示してくれるのとは違い、爬虫類は人間に対して感情的になって慰めてくれたり、一緒に喜んでくれたりすることはありません。

彼らが実際に飼育者のことをどう思っているのかは、わかりませんが…。

たいていの爬虫類は人間の存在を確認すると逃げる、威嚇する、性格にもよりますが最悪咬み付いてくるし、人間とかかわる事自体をストレスと感じています。

なぜストレスだと言い切れるのか?それは、嫌なことがなければ逃げないし、威嚇もしないし、咬み付いてこないし、体色も暗くくすんだりしないですよね。

ただし、人間の手によって品種改良され、家畜化されているようなメジャーな爬虫類、フトアゴヒゲトカゲやヒョウモントカゲモドキ、ボールパイソンなど、そもそも性格が穏やかな子などは比較的おとなしく、触っても威嚇してこない、むやみやたらに咬み付いてこないことが多いです。

爬虫類はなつかない代わりに「慣れる」ことはあります。

餌の準備をしていると寄ってくる、とか触っても逃げない、威嚇しない、咬まないといった感じです。よく慣れたトカゲモドキや水棲カメは飼い主が餌の準備でごそごそしていると、ちゃんと人間を見ているのでそちらもごそごそ動き始めます。また、ヘビ類になるとケージ内にいても空気穴から餌の哺乳類の匂いを嗅ぎつけて歩き回り、積極的に餌を欲します。

以上の爬虫類の性格を軽く知った上で、思っていた性格と違った、という理由で安易に手放さないか、自分に問いかけてみてください。

何年生きるのか?

爬虫類は非常に長生きです。だいたい一般の方が飼育しているのはヘビ、トカゲ、ヤモリ、カメあたりだと思いますが、一番長生きをするのはカメです。爬虫類の飼育者の中でも一番飼育になじみがあるのも、カメですね。昔は夏祭りで金魚すくいならぬカメすくいというものもあったからでしょうか。

そんなカメの関わるこんなことわざがあります。「鶴は千年、亀は万年」。

上記のことわざの亀はおそらく100歳以上生きることができるゾウガメのことをさしているのではないかと思います。余談ですが最も長生きをすることで知られるガラパゴスゾウガメは甲長(甲羅の長さ)が120センチほどまでに成長します。広大な敷地とたくさんの餌となる草が必要です。動物園施設でないと飼育は困難と思われます。

それでは皆さんが一般的に飼育する機会のありそうなミシシッピアカミミガメやクサガメの寿命はどうでしょうか。…なんと、飼育下で50年は生きます。

先ほど述べたガラパゴスゾウガメには遠く及びませんが、かなり長生きですよね!

天敵のいる自然界に比べて、敵のいない飼育下で寿命がのびるのは必然ですね。もともとの持病がなかったり、飼育の不備がなければみんな長生きできるのです。カメ以外にも、ヒョウモントカゲモドキが20歳を迎えた、という話も耳にしたことがあります。今具体的に上げた以外にも、他の種類の爬虫類も何十年と生きます。

こんなに長生きをする爬虫類ですので、爬虫類が亡くなる最期まで責任もって飼育できるのかをきちんと考えなければなりませんね。

もし飼育者がやむおえない事情で爬虫類たちを飼育できなくなってしまった場合は、家族や友達や飼育仲間で安心して預けられる方を見つけておくと良いです。野外に放つことは絶対にやめましょう。

餌について

爬虫類は肉食、昆虫食、雑食、草食….など種類によって様々な餌を準備しなくてはなりません。一番耳にすることが多いのは、「え、虫嫌い、気持ち悪い、触りたくない」といった言葉です。

昆虫食や雑食爬虫類であればコオロギ、ゴキブリが餌となります。

餌昆虫は生きたまま飼育管理しストックするか、冷凍してあるものを購入する。

肉食であれば生きたネズミを飼育管理しストックするか、冷凍されたネズミを購入する。

草食なら常に野菜等の植物を栽培するか、購入しストックしておく。といったことが必要になります。

最近は昆虫が苦手な方のためにレオパゲル、レオパブレンド、グラブパイなどの人工飼料もたくさん販売されていますのでそれを使うこともできますが、わたし自身は補助程度に与えた方が良いかなと考えています。

理由は、嗜好性が高い(それしか食べなくなる)かもしれないのと、そもそも人工飼料をまったく食べないものもいるからです。うちのニシアフリカトカゲモドキたちがまさにそれです。また、人工飼料はものによっては高栄養なイメージがありますので、それだけを与え続けて果たして大丈夫なのだろうか…という疑問があります。

レオパゲル単食で長期飼育、繁殖に成功した、と公式にありますが実際にわたしはレオパゲル単食で飼育はしないので何とも言えません。

きついことを言いますが、そもそも昆虫を野生下で食べて生活している動物に、苦手だから、手間だから、という人間側の勝手な理由で生きた昆虫を与えられないのはいかがなものかと思います。

人工飼料を全否定しているわけではありません。実際にうちにも食べるのは餌昆虫ですが、レオパブレンドとレオパゲルは常備しています。たまに、おやつ程度に与える分には問題ないかなとは思います。

また、飼育下の餌ではカルシウム、ビタミン、ミネラルなどが不足しますので、爬虫類用に販売されている粉状の各種サプリメントを餌にまぶして与えます。これを怠ったりバランスよく与えないと、代謝性骨疾患(いわゆるくる病)と呼ばれる顎が上下ぴったり合わなくなったり、肢や尾の骨が変形してしまったり、低カルシウム血症を発症し、下半身が動かなくなったり、神経症状が起こる場合があります。

厳しい言葉かもしれませんが、爬虫類はかわいくて飼いたいけど餌である昆虫が気持ち悪くて無理、と克服する努力をしない、または爬虫類の健康管理について調べたり気を付ける努力ができないのなら、あなたと動物のために、飼わないことをお勧めします。

病院について

爬虫類を診てもらえる病院はかなり限られています。普通の犬猫の動物病院では受け付けていないことの方が多いですし、もし受け付けてくれたとしても爬虫類を診られる獣医さんならスパッと終わる処置も、簡単に処置できないこともあるかもしれません。

なので、必ず爬虫類を診てくれる動物病院を事前に探しておくことが大切です。いざ何かあってから病院を探し始めて、ってやっているとその分時間ロスですし、爬虫類は診れないから、と断られる不安もなくなります。

関東では都内にいくつか爬虫類を診ていただける動物病院がありますので、ご自身で検索をしてみてくださいね。

でも一番は病院に行くことになる前に予防しておくこと、これが重要です。

生体を日ごろからよく観察していないと気づけないような行動をしていることもあるし、なによりも爬虫類は慣れていないと表情がわかりにくいのと、限界まで我慢する(隠している?)ので、その分手遅れになりやすいです。

日ごろからの観察、栄養状態の管理、環境設備の管理をしっかりしないといけませんね。

飼えなくなったら動物園施設にもっていけばいいのか?逃がせばいいのか?

結論から言うとこれはどちらもNGです。

飼いきれなくなった動物は動物園、水族館に引き取ってもらおうとすることはやめてください、また、野外に逃がさないでください。

厳しい言葉かもしれませんし、知らなかった方も多いと思いますのでお伝えしますが、動物園、水族館はそもそも一般の方が飼えなくなった動物を引き取る施設ではありません。

動物園、水族館にすでにいる動物たちに、持ち込まれた動物のみが保有していた細菌などによって死亡してしまう恐れがあります。持ち込みをされる方は良かれと思って(寄付的な心理かな?)いるのでしょうけれども、実際にはそのような理由から一般の方からの動物の受け入れは行っていない施設が多いです。

わたし自身、働いていた時に何度も何度も飼えなくなった動物を引き取ってほしいという問い合わせに対応しましたが、どうしてこうも無責任なのか、今も理解できません。

動物は使い捨てのおもちゃではありません、皆さんと同じように生きています。

また、もともと住んでいない自然の山や川などに逃がすことも、日本に住むほかの生き物たちの住み家を奪ったり、餌を奪ったり、ワイルド個体ならば外国にしかいない寄生虫が日本の動物たちに影響を与えたりと数々の被害がある可能性が出てくるのでやってはいけません。

ただ、もとから日本に住んでいる動物で、捕まえてきてちょっと飼ってみたけどどうしても飼えなくなってしまった…という場合は、地域固有の遺伝子を守るために必ず元いた場所に返します。

以上を踏まえて、動物の命を預かって、責任を持って、最後まで飼育できる自信はありますか?

少しでも多くの方が飼育動物に対して自分なりに考えるきっかけになってくれればうれしいです。

もしあなたの周りに、爬虫類やほかの動物飼いたいけど何を知っておくべきなのかわからないという方がいれば、ぜひこの記事を教えてください。

長く、厳しいことばかりお話してしまいましたが、きちんと責任をもって最後まで飼育ができる方であればわたしはいくらでもサポートしていきたいと考えております。何か質問や、気になる事などありましたら、ぜひコメントをしてください。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!