雅流!オカダトカゲの幼体飼育~飼育編~

皆さんこんにちは!雅です。

前回投稿したオカダトカゲの死亡報告後、かなりショックを受けてしまいなかなかブログに手が付けられませんでした。しかし、このまま発信を辞めるわけにはいきませんので、本日は雅流のオタダトカゲの幼体、飼育編ということで、孵化から今現在までどんな感じで飼育しているのかを公開したいと思います。

前にもお話していたと思いますが、幼体、成体ともに特大プラケース、床材には細かいヤシガラを使用し、飼育しています。

こんな感じで重ねておけるので便利な特大プラケース。だいすき

グループ分けをして飼育中

まず、2020年11月5日現在の幼体の数は全部で9匹です。この9匹を、体の大きさと雌雄(なんと頭胴長が6~7センチの個体ではもうすでに喉が赤くなりはじめ、オスの特徴が出てきています)を見比べ、大体同じくらいの大きさで、雌雄の数も大体均等になるように2つの特大プラケースに分けました。

少し大きめの第一軍(仮)
少し小さめの第二軍(仮)

写真は2020年10月21日のものです。こうしてたまにヤシガラから掘り出してきちんと生きているか生存確認をするのと、体に異常がないかどうかチェックをしてます。

オスかも?な個体。アゴが全体的にうっすら赤くなっているのがわかります

どうして2つのグループに分けるのかというと、オス同士や他の個体と鉢合わせて喧嘩になるのを防ぐ目的と、十分な餌量を確保するためです。

皆さんきっとニホントカゲのオス同士の喧嘩の写真を、図鑑やSNSを通して見たことがあると思います。ニホントカゲと似たような感じで、オカダトカゲもオス同士、咬み付きあって喧嘩をします。もしかすると縄張り争いなのかもしれません(ソースを探しておきます…)

ですので、なるべくオス同士が接触する機会を減らすためにケースを分けて飼育している、ということ。

また、これだけの個体数がいると餌を積極的に食べにくる個体とそうでない個体が出てくるので、餌を食べに来るのが少し遅れてしまうと、餌がなくてどんどん痩せてしまう、成長ができないなど最悪死なせてしまう原因に繋がるおそれがありますので、なるべく均等にすべての個体が餌を食べられる機会を作るために、ケースを分けて飼育しています。

狭いケースで多くの個体を管理するのはかなり難しいことだと思います。うちにいる幼体たちはまだ小さいのでこのグループ分けで飼育していますが、もっと成長してきたら、先ほどお話しした喧嘩等の理由からオスは1ケース1匹ずつに分けて飼育しようかな、と考えています。

全然話が変わりますが、2020年夏に、この幼体たちのふるさとに行ってきましたが、その時点でのうちの幼体たちと野生の同い年の幼体たちで体の大きさが違っていて驚きました。

カンの鋭い方は感じていると思いますが、室内の飼育個体と野外の個体では孵化した時期が異なるのと、餌頻度も異なるので体の大きさは違うのは当たり前です。ですが、夏に見た野外の個体の大きさが、飼育個体の夏ちょっとくらい前の大きさで、ひとまわりくらい野外の個体の方が小さかったので、自分の飼育方法や餌頻度、餌昆虫たちの餌メニューなどを考え直した方が良いのかな…!??と考えさせられました。

孵化1年目、冬対策は?

皆さん想像ができると思いますが、日本の本州に住む爬虫類の多くは越冬をします。土の中に潜ったり、岩の隙間に隠れたり、落ち葉の下に潜って、冬を越すことですね。

日本の爬虫類や、外国の爬虫類、越冬して過ごす種なら冬の間は代謝を低くさせてそっと眠らせておいて、次の年の春にまた目覚めさせて飼育をしている方もよくいらっしゃいます。実際、実家に住んでいたころのわたしも、オカダトカゲやヒガシニホントカゲは外と同じような気温の部屋に置いておき、次の春から餌を与えて飼育するスタイルをとっていました。

しかし、飼育個体の越冬はかなりリスクがあります。

秋、冬が来る前にしっかりと栄養をつけさせておいて、何か月も餌を食べないでも耐えうる健康な体を作る必要があること。

次の春にケースを覗いてみたら、とっくに死んでしまっていた!とか、春を迎えられたが餌を受け付けなくてそのまま衰弱して死んでしまった…とか。経験もあれば、聞いたこともあります。

細かい原因はここでは話しきれないくらい考えられます。

このリスクを背負って冬場は寒い部屋で飼育をしようかな…と考えていましたが、実際に今住んでいる家の中で一番寒い場所の気温を測ると20℃を超えており…!

築年数のそんなに経っていない綺麗な集合住宅の快適さを思い知りました…。

20℃では、トカゲが中途半端に覚醒してしまい、無駄に体力を消耗してしまいます。これでは家で越冬は無理だ…と判断し、他の外国産爬虫類たちのいる暖かい部屋で冬を越してもらうことに決めました。

ですので、現在は夏場より餌の頻度はおさえていますが、昼間は太陽でバスキングをし、夜も暖かい部屋で、これまでと何ら変わりなく飼育しています。

体もずいぶん成長してきましたので餌は3日に1回、全個体が食べられるように少し多めにお皿に生きた昆虫類を入れて与えています。孵化したての頃は毎日与えていました。

こんな感じで現在は飼育をしておりますが、今後もどう管理したら健康に、長く生きてもらえるのか、完全に手探り状態ですが試せるものはどんどん試してみて、こうして皆さんにお伝えできればなと思います。

まだオカダトカゲの幼体飼育で伝えきれていないことがあるので、記事が書けましたらまたこちらのブログに載せます。

最後までご覧いただきありがとうございます。

またブログor動画でお会いしましょう!

前々回のブログに貼り忘れていた動画( ˘ω˘ )

オカダトカゲの孵化について

オカダトカゲ 幼体 Plestiodon latiscutatus

皆さん、オカダトカゲという日本固有種のトカゲをご存知ですか?

伊豆半島と、静岡県のお隣にある初島、伊豆諸島の伊豆大島から青ヶ島に分布するトカゲです。伊豆諸島の名前だけ言われてもわからないな~という方はぜひ、「伊豆半島 名前」で検索してみてください。実際にその島々の配置を見ると、昔は陸が繋がっていた…というのがなんとなくわかると思います。

そして、何といっても他の種類である「ニホントカゲ」と「ヒガシニホントカゲ」との外見の判断が難しく、パッと見では全部同じ種類に見えてしまいますね。

簡単にご紹介しますと、皆さんがよく知っているニホントカゲは近畿地方以南の本州、四国、九州とその周辺の島々に分布しており、ヒガシニホントカゲは伊豆半島を除く近畿地方以東の本州と北海道とその周辺の島々に分布しています。

オカダトカゲ、ニホントカゲ、ヒガシニホントカゲの詳しいお話はいろんな論文を読んでわたしがきちんと皆さんにお伝えできるようになりましたら、こちらでもご紹介したいと思います。

前置きが長くなりましたが今回は「オカダトカゲの孵化について」お話していきたいと思います。

飼育動物の紹介欄にあるように、2019年8月に捕獲した成体♀が翌年2020年4月21日に腹に卵を持っているのを確認しました。

腹が卵でボコボコしているように見える オカダトカゲ ♀ Plestiodon latiscutatus

おわかりいただけたでしょうか。

普段はスマートな横腹が、卵確認時はボコボコしていて、誰が見ても卵を持っている状態。本来ならこのような時期のメスはあまり触らずほっておいた方がいいと思いますが、あまりの感動と興奮でよく見える角度で数枚写真を撮らせていただきました。

この時(というか今もですが)は雅イチオシの特大プラケース(約43×35×27)にこのオカダトカゲと、ヒガシニホントカゲの成体オスメスの計3匹で飼育しており、床材は爬虫類用のヤシガラを厚めに敷いていました。

他に移動させる場所もなく、あまりちょっかいをかけるとストレスになるな、このままこのプラケで管理しようか?新しくプラケを買うか?と悩んでいた2020年5月1日の夜、なんとなく特大プラケースを持ち上げ底を見てみると、生まれている!!!!!!

卵の数は11個…に見える気がする、メスが卵に寄り添っている

これまた感動!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

あまり揺らすとメスのストレスになると思い、この時も数枚だけ写真を撮らせていただきました。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますがオカダトカゲ、母親が卵が孵化するまでの約40日間餌を食べずに卵をなめたり転がしたり少し移動させたりしてお世話をするのです。不思議ですよね…ちなみに同じ日本固有種であるニホンカナヘビの場合は卵の世話はせず、産卵したら母親はどこかへ行ってしまいます。

ちなみにこれまでの管理で気を付けていたことと言えば、産卵数日前から完全に表に出て来なくなったのと、お腹があんな状態なので当たり前ですが餌をまったく食べないので、せめて水分でも…と思い、全体的に湿りすぎない程度にキリフキをかけていました。

先ほどもお話ししましたが、この母親以外にも他に2匹のトカゲが同居しています。

ここで真っ先に心配になったのが、母親が他のトカゲにちょっかいかけられて育児放棄もしくは卵を食べてなかったことにしてしまうこと、また、他のトカゲが卵を食べてしまわないかということ。

様々な不安が頭をよぎりましたが、もうここで産んでしまったのなら人間が手を出したら最後、何がおこるかわからないと思い、思い切ってこのまま他のトカゲと同居させたまま、孵化まで持っていけるか試してみることにしました。

実はわたしは過去にも別個体での産卵経験があります。その時はヒガシニホントカゲだったかな…?5、6年前なのでうろ覚えです。少し、そちらのお話もしますね。

そのヒガシニホントカゲは、もっと小さいプラケースに隔離し、ヤシガラを敷き詰め、ヤシガラの真ん中に少しくぼみを掘り、その上に樹の皮を乗せてシェルターにしました。わたしの読み通り、数日後にすぐそのくぼみに産卵したメス。わたしは初めて生でトカゲの卵を見る事が出来てうれしくてうれしくて、シェルターをどかしてミラーレス一眼で写真を撮りまくりました。

その数日後、毎日の日課となっていたトカゲと卵の観察のため、シェルターをどかすと、卵がひとつも残っていません。

小さなプラケースに入れていたので他の敵もいませんし、餌昆虫も放っていません。ヤシガラを掘っても掘っても、卵が見つかりません。いるのは、卵を産んだメスだけ。この時初めて、わたしは自分がやらかしてしまったんだと、思いました。トカゲの嫌がることをして、ストレスを与えて、メスは自分で産んだ卵をひとつ残らず食べてしまったのです。

それだけではなく、普通なら白い卵を産むはずですが、最初から産んだ卵はピンク色で、なぜだろう?と当時の自分は不思議に思っていましたが、経験のある方にうかがったところ、親の栄養不足によるもの、と言われてしまいました。

わたしはこの時の経験が物凄く頭に焼き付いていて、もし今後産卵するトカゲを飼育する機会があったら、同じ過ちは絶対にしない、と誓いました。

これで、先ほどからストレスをかけないように慎重になっていた理由が皆さんにもおわかりいただけたかと思います。

オカダトカゲの話に戻りますが、結果は大成功。運が良かったのか、他のトカゲが母親にちょっかいかけることもなく、母親もきちんと卵の世話をし、孵化するまでの約1ヵ月と少しの間、餌は何も食べず卵に寄り添っていました。

また別の日。見るたびに卵の位置とメスの寝相(?)が変わる
たまたまだと思いますがメス同士寄り添う、びっくりした

上の写真は衝撃を受けました。なんと、卵を守るメスに寄り添う形でもう一匹のヒガシニホントカゲのメスが寝て(?)いました。皆さん確認できますか?ヒントは尻尾の数です!

そして2020年6月5日の夜、ゆっくりとプラケースを持ち上げてみると、いつもある卵がしおれている!そして、とても小さな青い尻尾を1匹分確認。感動の瞬間でした……。

その時は夜だったので、そのまま安静に置いておき、次なる課題へ。

そう、今度こそ孵化したての幼体たちが他のトカゲに食べられてしまうのではないかという恐怖…!!!!!

よく図鑑には、母親とこどもはしばらくともに過ごす、とありますが、具体的にいつ頃土から出てくるのか全く分かりません。自分の当時の記録によると、孵化確認から次の日2020年6月6日の13時になっても母親もこどもも土から出てきません。

食べられてしまうという不安から同居している母親以外の2匹のトカゲを当時飼育していたニホンカナヘビのプラケースへ移動させる決心をし、ゆっくりとヤシガラを掘ると、なんと幼体たちがいた場所を掘り当ててしまったらしく、ぶわあああっと青い綺麗な尻尾を持った小さなトカゲたちが4匹、一斉に地上に出てきてしまいました。

その時の内心「うわああぁっぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!ごめんんんんんんんnんnn」

なんとか弱い幼体たち、自力では細かいヤシガラを掘って潜ることができないらしく、ずっと地上でバタバタ。

ここでわたしは予定を変更。同居トカゲではなく、幼体だけを取り出して隔離することにしました。母親と幼体、一体どのくらいの期間一緒に過ごすのか、とても気になりましたが幼体の安全を第一に考えます。

とりあえず掘り起こしてしまい、潜れない4匹を幅30cmの小さな水槽に移動。この水槽にはヤシガラではなく赤玉土を利用。(理由は幼体飼育編の時にお話しします)

母親のいるプラケースの底に2匹の幼体の姿を確認。この時点では6匹は確実に孵化したことがわかりました。

2日後の2020年6月8日。朝9時ごろ、母親のいるプラケースの方で地上に幼体が3匹、バスキングをしているのを目撃しました。この時点では7匹が確実に孵化していますね。水槽に隔離した幼体たちもバスキングをしていたので事前にこの子たちのために繁殖させておいたフタホシコオロギの幼虫とワラジムシを餌皿を使って与えてみるも、食べず。しかし、30分くらい放置していたら1匹がワラジムシの小さいのを食べているのを見かけました、これまた感動。

そしてその日のうちに母親と同居トカゲ2匹をニホンカナヘビのいるプラケースへ移動させ、完全に幼体専用プラケースになりました。

2020年9月13日現在、卵確認から産卵、孵化、飼育でおよそ4ヵ月が経ちます。今、幼体たちは一番初めに見ていただいた写真のとおり、すくすくと成長中です。

頭胴長(とうどうちょう)は小さい個体で4cm、大きい個体で5、6cmはあると思います。※頭胴長とは、鼻の先から総排泄口(おしり)までの距離のことを指します。トカゲなどは自切(敵から身を守るための手段として尾を切り、敵の意識をそらす)するので体長をはかるときはこれを用います。

次回は、オカダトカゲの幼体飼育について書きたいなと思っております!

試行錯誤しながら、日々こちらが勉強させてもらっています。ここまで読んでくださりありがとうございます。よろしければ、次回もまたご覧いただけるとうれしいです!(*´▽`*)

それでは、次回へ続きます!!!!

鴨川シーワールド 夜の水族館探検に参加してきました!

こんにちは!雅です。初めて日記みたいな感じで書こうと思うので少しわくわくしています(*^▽^*)何編かに分けて書いていこうと思いますので、よろしければ最後までお付き合いください。

今回、千葉県鴨川市にある「鴨川シーワールド」へ行ってきました。

国内でのコロナウイルスの感染が確認され始めてから、職場以外の動物園、水族館施設には半年以上も足を運んでいませんでした。すごく久しぶりに水族館へ行けるということと、スペシャルなことにパートナーの誕生月ということで今回は鴨川シーワールドに隣接するホテルにも一泊しました。

こちらのホテルの公式ホームページから予約をするとついてくる特典がいくつかあるのですが検索していて目を引いたものが今回ご紹介する「夜の水族館探検」。(特典なしの宿泊だけでも水族館が無料で入館できます!超お得ですよね!)

気になる方は公式ホームページにて確認してみてください!

約40分間、夜間の水族館内を巡り解説を聞くツアー的なプログラムですが、悪天候時や動物たちの状況により中止となる場合もあるそうですが、この日は何事もなく決行されました。よかった。が、しかし、なんと毎日開催しているそう…!:;(∩´﹏`∩);:

元 飼育員として、普段の飼育や他の業務でかなり神経を使っているであろう飼育員さんの体調などの面で少し心配になってしまいました。。いつもお疲れ様です。

夕食を済ませてからロビーに集合。小さなこどもからおとなまで、幅広い年齢層の方々が参加されていました。

この日は3グループに分かれて順番に各展示を周りつつ、飼育員さんの解説を聞きました。

シャチ Orcinns orca (iPhone11proで撮影)

まずはシャチの展示からでした。

シャチ以外にも、イルカやセイウチ、ペンギンやエトピリカなどの展示も周りましたがネタバレになってしまうのと、あらあじめ用意してきた質問を飼育員さんに回答いただきましたのでその話をメインにご紹介していきたいと思います。

毎日開催されているだけあってか、シャチたちも「お、今日もまた来たのか」とばかりにお客さんの元にやってきてくれました。

昼間もシャチのパフォーマンスを見ていたのですが、その時はお客さんに興味を示して寄ってくるというよりも、パフォーマンスで濡れるのを防ぐためのポンチョ(300円)や50周年記念タオル(500円)、ポップコーン(300~500円)を販売するために客席前のシャチ水槽の前に立っていた従業員さんたち(の洋服とかかな?)に反応して寄って来ている印象でした。

従業員さんに寄ってくるシャチ

昼間と夜間、実際にシャチがどう思っているのかは、わたしにはわかりませんが何か別の興味にひかれて人間のところにやってきてくれているのだと思います。

肝心の飼育員さんによる解説では、シャチは肺呼吸のため、一定時間経過すると酸素を吸いに寝ている時でも水面にやってくるそうです。ちなみにシャチの呼吸をするための噴気孔(人間でいう鼻)は水中生活に適応するために頭頂部にあります。頭の上に鼻があれば呼吸がしやすいですよね。

また、わたしは暗くて確認できなかったのですが、「半球睡眠」といって片眼ずつ眼を閉じ、泳ぎながら眠っているそうです。片方の眼を閉じているときに片側の脳は休んでいる状態、が繰り返し行われるのでしょうね。

餌はサバ、ホッケ、シシャモなどが与えられているみたいです。

シャチのプール全体図(iPhone11proで撮影)

また、この広いプールの水量は皆さんのお家のお風呂の約60年分にもなる海水が使われているそうです。(あっ…人工海水なのか天然の海水なのか、飼育員さんに確認しておけばよかった…完全に確認忘れてた…)

他の展示への移動もあり、あまりシャチだけに時間はかけられないのであまり詳しい解説は聞けませんでした。元 飼育員として解説していた身なので、痛いほどわかりますが幅広い年齢層の方々に対して専門的な話は好まれないことが多いので、大体はわかりやすい軽めの解説で終わりがちになってしまいますね。深い話をいかに興味を持って聞いてもらえるか、が個人的な目標のひとつです。

夜間のエトピリカ展示場(iPhone11proで撮影)
夜間のアシカ・アザラシの展示場(iPhone11proで撮影)

iPhone11proの夜間モード(?)で撮影しておりましたので、すごく明るく映っていますが実際はもう少し暗いです。一眼も持って来てはいたのですが、この時はiPhone11proの方が軽いし、設定とかいじらなくて済むし、楽でした(*’ω’*)

こんな感じで各所を巡り、ロビーにて解散でした。

質問があれば飼育員さんが少し残っていてくれるのでその時に、とのことでしたので雅の名刺を持参でいざ突撃!

わたしは専門学校で確かに海洋生物を習ってはいましたが、実際に飼育経験はないのでイルカやシャチといった水生哺乳類に対する感覚が全くわかりません。

昼間にシャチのパフォーマンスを見た際に、ナレーションの方が「シャチがわざと皆さんに向けて水をかけてきます」というアナウンスをしていました。そこで、イルカやシャチも、観客席にいるお客さんの歓声や悲鳴(海水がかかってくるので(笑))に反応して、もっとやってやるぞ!と張り切るような行動をとるのかどうか、という疑問が生まれたのでぶつけてきました。

シャチのトレーナーさんに、この質問をさせていただきました。

トレーナーさんいわく、パフォーマンスはシャチ対トレーナーで行われるものであるため、観客席にいるお客さんの影響を受けているかどうかは実際にはわからないそうです。しかし、シャチも生き物なのでやる気のある時やこの技、今やりたくなさそうだな、という感覚が眼を見てわかるそうです。

技を披露した後に「今のよかったよ!」という意味を込めて、水面に上がってきたシャチの頭をたくさんたくさんこすっているトレーナーさんの姿を確かに昼間、見ました。餌をやることも褒める理由のひとつですが、触れる事でもその意味になることは初めて知ったので驚きでした。

シャチのパフォーマンス時、頭付近に触れてコミュニケーションをとる(NikonD5300で撮影)
シャチのパフォーマンス時、餌(報酬)を与えて直前(この場合は技)の行動をほめる(NikonD5300で撮影)

こうしてシャチとコミュニケーションを取りながら、パフォーマンスでは皆さんに技を披露しているのですね。

そして同じトレーナーさんに、イルカはどうなのか?と質問してみたところ、イルカの担当期間が短かったため、確実な答えではないが、イルカプール前にいるお客さんの反応を見て「もっとかけちゃお~~」というようないたずら的な?感じでジャンプをして水しぶきをかけているそうです。

もしかしたら、わたしの疑問であった「張り切ってやるぞ!」という行動は、イルカには顕著に表れるのかもしれませんね。

カマイルカ Lagenorhynchus obliquidens リアルな眼。(iPhone11proで撮影)

研究者や飼育員が集まるような学会や、飼育員の研修のようなものに参加した際でも、イルカやシャチのトレーナーさん、飼育員さんに出会えるとは思いますが、なんせ分野が少し違うので今回のように大型の水生哺乳類と関わる方々とお話しする機会はなかなかありません。

本当にお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

わたしも両生類、爬虫類一点集中型なので少し視野を広げて、これからも現場の方々と交流、情報交換などしていきたいと思います。

ここまで雅の日記にお付き合いくださった皆さんにも感謝します!ありがとうございます!!

海洋生物全般の知識がほぼ皆無になっているので、勉強しなくては、と書いていて思いました…。あと、どうして水族館でショーやパフォーマンスをするのか、という理由も今回書ききれなかったのでまた勉強し直してからブログかYoutubeで公開したいと思います。

次回は鴨川シーワールドの展示について語っていこうと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました(*´▽`*)

ホテルのお布団敷いてくれたスタッフさんが、置いといたシャチのぬいぐるみ並べてくれた…(*´▽`*)♡

飼育員って何をする仕事?

※これからお話する内容は施設や役職によって変わることがあるので参考程度にお考えください。

飼育員の普段の仕事って、何をしているかご存知ですか?

たぶん、動物たちのお世話!という印象が強いと思います。もちろん飼育員の仕事の中に動物たちのお世話は入ってくるのですが、それ以外にもお仕事の種類はたくさんあります。

動物園が好きな方、動物園の飼育員になりたい方、飼育員が普段どんなことをしているのか知りたいですよね!今回、あくまで一例にはなってしまいますが、元 両生爬虫類飼育員である雅が簡単に解説していこうと思います。

はじめに

大体どこの動物園、水族館でも自分の担当動物といって、数種類の動物種ごとに担当が割り振られています。たとえばあなたは魚の中でも海水魚担当ね、あなたはペンギンとペリカン担当ね、というような感じです。それを踏まえて、

1、担当動物の清掃、給餌、病気治療などの管理

2、担当動物の解説

3、一般の来園者、学校の生徒、先生向けプログラムの企画立ち上げ

など…大きく分けて3つに分けられます。

担当動物の清掃、給餌、病気治療などの管理

清掃、とはそのまま掃除のことです。

動物は生きていますから、糞もしますし、餌を食べる時にケージ内(動物たちが暮らす場所)を汚してしまいます。

もし掃除をしないままほっておくと、糞や飲み水が汚染され細菌が繁殖し、動物たちが細菌感染を起こしたりして病気になる恐れがありますので、展示されている動物たち、バックヤードで飼育されている動物たちのケージは定期的に掃除をします。

動物園や水族館に行った際に、一度は飼育員がケージ内もしくは水槽内を掃除しているのを見たことがあるのではないでしょうか。展示動物の飼育場所が汚いと、見てくれるお客さんも良い気分にはなりませんよね。

給餌(きゅうじ)とは、餌を与えることです。

ただ餌をやればいいかと言われれば、それは違います。

動物は人間の言葉を話してくれません。そこで、餌の食いつき具合や食べ方をよくよく観察して、普段と違った食べ方をしていないか、いつも完食する量を食べきれているかなどを確認します。いつもならすぐに食いつくのに、今日は食いつかないな、食べる量が少ないな、なども見ています。

例えですが、普段と違った食べ方をしているのならば口腔内に何かが出来ていて(口内炎など)食べずらそうにしているかもしれないということが考えられますし、いつも完食する量を食べきれていないのならば、体の調子(内臓系か?ストレスか?)が悪いかもしれないということが考えられます。

この餌やりは普段元気なときからしっかり観察していないと、いざという時、異変に気づくことができません、もしくは気付くのが遅れてしまいます。以上のことから、餌やりひとつ取っても、大事な健康チェックになります。

病気治療とは、病気になった動物、ケガをした動物を看病することです。

飼育員の下調べやアイデアによって努力をして自然環境に近いような飼育施設や飼育設備を整えている動物園、水族館でもどうしても病気になってしまう動物、複数個体で飼育していれば仲間と喧嘩をしてケガを負ってしまう動物がいます。

そういった動物は隔離し(単独のケージに移動させること)、病気、ケガの原因を探りながら治療をしていきます。動物園、水族館によって変わってきますが、その施設専属の獣医さんがいらっしゃる場合は獣医さんと飼育員、力を合わせて治療に取り組みます。

動物園施設自体の考え方や、飼育員の負担、獣医さんの判断、病気の進行具合やケガの程度によっては見放されてしまう動物ももしかしたらいるかもしれませんが、わたくし雅自身は、不治の病以外でしたら絶対に動物たちを見捨てたくないと思っています。

担当動物の解説

施設によっては飼育員ではなく、解説員という名の完全に来園者に向けた解説の仕事のみを行う役職のある動物園、水族館も存在しますが、今回は飼育員が行う解説の仕事についてお話します。

皆さんもきっと一度は動物園、水族館で「飼育員の解説」を聞いたことがあると思います。

それはどんな場面だったか、思い出せますか?

きっと多くは、「餌やり」のタイミングだったと思います。

この餌やりの際、ただ餌をやりながら解説をしているわけではなく、先ほども説明したように実は動物の餌の食いつきや食べた量を見て把握しているのはもちろん、幼稚園保育園生から親子、お年寄りまで日々幅広い年齢層のお客さんが見に来てくださるので、その方たちに合った言葉をその場で選んでわかりやすい解説をするように心がけています。

例えば、小学校低学年の子たちに、専門用語や難しい言葉を使って話していてもすぐに飽きられて別の動物に意識が持っていかれてしまいますね。

その場にいる年齢層に合った言葉選びを心がけて、自分の担当動物のこんな行動が見どころだよ!ここが面白いよ!と飽きさせないトークをしながら、魅力を直接伝えるチャンスなのでこの時間は特にしっかりとお話しします。

餌やりの時間は普段動かずじっとしている動物でも少し動いたり、食べている様子を観察して頂けるので、動物にあまり興味がない方でも、この時はしっかり観察、解説を聞いてくださる印象です。

有り難いことに皆さん共感してくれたり、面白かったと言ってくださったり、興味がなかった方の興味を得られたりしますので、飼育員としてすごく大切な仕事の一部だと感じています。

より良い解説をするためには日々、飼育をしっかり行い動物の細かな行動観察、外部からの情報収集も欠かせません。

一般の来園者、学校の生徒、先生向けプログラムの企画立ち上げについて

先ほどお話ししたのは一般の来園者に向けた日常的に行われる解説プログラムについてのお話でしたが、事前応募制の特別プログラム(例えば夜間に行うもの等)だったり、団体で来園される学校向けのプログラム(小動物のふれあい体験等)だったり、学校の先生に向けたプログラム(学校の授業に貢献できるような内容等)だったり、実はいろいろな種類があります。

こういった、一般の来園者に向けて日常的に解説を行っているもの以外にも、事前募集制プログラムだったり学校の団体のプログラムだったり学校の先生に向けたプログラムも、現場で動物を相手にしている飼育員だからこそ、仕事として担当することがあります。

事前募集制の特別プログラムでは、テーマがすでに決められていることが多く(例えば、産気づいたキリンの飼育員は夜間にどんな体制で見守っているのか、生まれた後はどんなことをするのか等)、テーマとなる動物に興味のある方が集まって参加されるので、内容もかなり細かく、専門的に解説することができます。ですので、満足度もうまくいけばかなり高いものになりやすいです。

逆に団体で来園される学校向けのプログラムになると、学年にもよりますが全員が動物に興味、理解、関心があるわけではないので、専門的な解説をすると飽きられてしまいます。どんな学年なのかを事前に知ったうえで、皆さんがわかるように、できれば興味を惹きつけられるような解説をしなければなりません。

最後に学校の先生に向けたプログラムですが、わたしは実際に担当、経験していませんので偉そうなことは言えませんが実際に近くで企画をしている場面を見ましたので軽く解説します。

先生方に向けて、もし希望されるテーマがあるのであればそのテーマについてかなり専門的に、詳しく、かつ子どもたちの授業に還元できるような解説をしなければなりません。個人的にはこれが一番難しいのでは?と感じていますが、これも飼育員の仕事になるので頑張るしかないですね。

学校の先生ですので、根拠なども正確にお伝えしないと先生によっては鋭い質問や突っ込みをされてしまうことがあるかもしれません。もし今後わたしが動物園施設に復帰して、学校の先生に向けてプログラムを行うことになったら、準備期間には文字通り、死に物狂いで勉強すると思います。(笑)

以上、大きく分けて3つ、飼育員の仕事をお話してきました。

たぶん知らなかったこともあるかと思いますが、これはあくまで一例で、これ以外の仕事も請け負っている飼育員もいらっしゃいます。わたしが経験したものですと動物専門学生さんや大学生さんのインターン実習の対応、必要物品や餌の発注、電話対応などです。

この話を聞いた皆さんの中の飼育員のイメージがどう変わったのか気になります…

なかなか飼育員とお話しする機会もないと思いますので(わたしの場合元 飼育員ですが…)気になることがあればコメントでお知らせください。回答できる範囲でお答えします!

それでは、今回はここで終わりにしたいと思います。

最後まで見てくださってありがとうございました!また次の記事でお会いしましょう!